第34回大阪府理学療法学術大会

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Poster session

事前公開

[P-02] ポスター演題②(卒業研究演題)

Sun. Jul 3, 2022 2:10 PM - 3:10 PM 会場8 (12階 12Fホワイエ)

座長:田中 貴広(藍野大学)

2:58 PM - 3:10 PM

[P-02-5] 専門学校生におけるオンライン授業によって生じた時間の使い方に関するアンケート調査 ――昼間部と夜間部を比較して―― 【卒業研究】

山﨑 葵1,2, 加藤 厚次1, 比嘉 俊介1, 福島 彪人1, 楠 詩奈1, 井上 怜美1, 宗像 真帆1, 小嶋 高広1 (1.学校法人 大阪滋慶学園 大阪医療福祉専門学校理学療法士学科, 2.株式会社 互恵会 大阪回生病院 リハビリテーションセンター)

Keywords:遠隔授業、模擬試験

【背景と目的】
COVID-19の感染拡大に伴い,本校ではオンラインへ移行して授業が行われていた.そこで,オンライン授業への移行によって生じた時間の使い方について昼間部と夜間部で比較を行い,学習意欲や模擬試験との関係性を調べた.
【方法】
大阪医療福祉専門学校に在籍する全学生833名を対象とした.事前にプレアンケートを作成・実施し,その結果を基にアンケート内容の修正を行い,本研究のアンケートを作成した.紙面に記載したQRコードからGoogleフォームにてwebでのアンケート調査を実施した.統計処理にはエクセル統計およびEZR(Ver.4.0.3)を用い,有意水準はそれぞれ5%未満とした.
【結果】
有効回答率は65.6%(547名)であった.そのうち49.0%(268名)と約半数の学生がオンライン授業によって3時間以上の空き時間が生じたと回答した.空き時間を勉強時間に充てている学生は昼間部17.4%(95名),夜間部38.7%(212名)と夜間部学生の割合が多かった.学習意欲に関しては,上がったと回答した学生は18.1%(99名),変わらないと回答した学生は43.7%(239名),下がったと回答した学生は38.2%(209名)であった.空き時間での勉強の有無と学習意欲の関係について Pearsonのχ2検定を行ったところ有意差が認められた(p<0.01).下位検定として残差分析を行うと勉強群における学習意欲が上がったと回答した学生の割合が有意に高かった(p<0.01).空き時間での勉強習慣の有無による模擬試験点数の差について検討するため, 理学療法士学科・作業療法士学科の最終学年69名を対象に, 登校再開後に行われた最初の模擬試験点数を調査した.勉強群(34名)の点数が140.6 ± 32.6点, 非勉強群(35名)の点数が120.8 ± 21.7点であり,WelchのT検定を行ったところ有意差が認められた(p<0.01).空き時間で勉強していると回答した群は勉強をしていない群と比較したところ,勉強している群では学習意欲が有意に高く,模擬試験の結果も有意に高値を示した.
【結論】
学習意欲および成績向上を図るには,オンライン授業によって生じた空き時間を睡眠時間ではなく勉強時間に変えることが有効であると考える.また,先行研究から勉強方法にも工夫が必要であることが分かっているため,個人学習に比べグループ間の学習など,環境面の工夫により内発的動機づけを高め,日頃からの勉強習慣が更なる学習意欲・成績向上に密接に関わっていると考える.