[SO-04-2] 右下腿切断後に義足歩行獲得と自宅退院を目指した血液透析患者の一症例
Keywords:血液透析、下肢切断
【症例紹介】
症例は70歳代男性,BMI 28.4(㎏/㎡),透析歴8年である。既往歴は狭心症,脳梗塞,重症下肢虚血,左中足骨離断,併存疾患は糖尿病,高血圧がある。入院前ADLは屋内独歩,屋外車いす自立,FIM 115点。末梢動脈疾患(PAD)により足部壊疽が進行しX-5日に入院,X日に右下腿切断となったものの,術後の介入により杖歩行獲得に至ったため報告する。
【評価とリーズニング】
X+9日の時点でROM(右/左,°)が股伸展5/10,膝屈曲85(P)/120,膝伸展-10/-5,MMT(右/左)は広背筋4,中殿筋3/4,大腿四頭筋2/4,下腿三頭筋-/2,疼痛検査(NRS)は右大腿部前面の伸張時痛(5),右幻肢痛(1)であった。FIMは94点で,移乗は殿部をスライドする方法で自立,院内は上肢筋力向上のため車いす自走とした。X+11日の時点で創部の治癒状態が悪く,やや出血と浸出液を認めた。断端は皮膚の脆弱性があり,断端末部に水疱形成を認めた。問題点としては,体幹筋群・股関節外転筋・膝伸展筋群の筋力低下,立位バランスの低下により歩行困難,左片脚立位,起立が困難になっていると考えた。また,断端の皮膚の脆弱性,創部状態の治癒遷延,浮腫等によりこの時点では義足歩行獲得は困難と予測されたが,本症例は義足歩行を強く希望されていたため,義足歩行が獲得できるよう断端管理から工夫し介入した。
【介入と結果】
X+9日の時点でROM(右/左,°)が股伸展5/10,膝屈曲85(P)/120,膝伸展-10/-5,MMT(右/左)は広背筋4,中殿筋3/4,大腿四頭筋2/4,下腿三頭筋-/2,疼痛検査(NRS)は右大腿部前面の伸張時痛(5),右幻肢痛(1)であった。FIMは94点で,移乗は殿部をスライドする方法で自立,院内は上肢筋力向上のため車いす自走とした。X+11日の時点で創部の治癒状態が悪く,やや出血と浸出液を認めた。断端は皮膚の脆弱性があり,断端末部に水疱形成を認めた。問題点としては,体幹筋群・股関節外転筋・膝伸展筋群の筋力低下,立位バランスの低下により歩行困難,左片脚立位,起立が困難になっていると考えた。また,断端の皮膚の脆弱性,創部状態の治癒遷延,浮腫等によりこの時点では義足歩行獲得は困難と予測されたが,本症例は義足歩行を強く希望されていたため,義足歩行が獲得できるよう断端管理から工夫し介入した。
【結論】
創部の治癒が遅く,入院が長期化したが,四肢・体幹の筋力向上,義足側への荷重練習に着目したことによって,義足歩行を獲得し自宅退院できた症例であった。
症例は70歳代男性,BMI 28.4(㎏/㎡),透析歴8年である。既往歴は狭心症,脳梗塞,重症下肢虚血,左中足骨離断,併存疾患は糖尿病,高血圧がある。入院前ADLは屋内独歩,屋外車いす自立,FIM 115点。末梢動脈疾患(PAD)により足部壊疽が進行しX-5日に入院,X日に右下腿切断となったものの,術後の介入により杖歩行獲得に至ったため報告する。
【評価とリーズニング】
X+9日の時点でROM(右/左,°)が股伸展5/10,膝屈曲85(P)/120,膝伸展-10/-5,MMT(右/左)は広背筋4,中殿筋3/4,大腿四頭筋2/4,下腿三頭筋-/2,疼痛検査(NRS)は右大腿部前面の伸張時痛(5),右幻肢痛(1)であった。FIMは94点で,移乗は殿部をスライドする方法で自立,院内は上肢筋力向上のため車いす自走とした。X+11日の時点で創部の治癒状態が悪く,やや出血と浸出液を認めた。断端は皮膚の脆弱性があり,断端末部に水疱形成を認めた。問題点としては,体幹筋群・股関節外転筋・膝伸展筋群の筋力低下,立位バランスの低下により歩行困難,左片脚立位,起立が困難になっていると考えた。また,断端の皮膚の脆弱性,創部状態の治癒遷延,浮腫等によりこの時点では義足歩行獲得は困難と予測されたが,本症例は義足歩行を強く希望されていたため,義足歩行が獲得できるよう断端管理から工夫し介入した。
【介入と結果】
X+9日の時点でROM(右/左,°)が股伸展5/10,膝屈曲85(P)/120,膝伸展-10/-5,MMT(右/左)は広背筋4,中殿筋3/4,大腿四頭筋2/4,下腿三頭筋-/2,疼痛検査(NRS)は右大腿部前面の伸張時痛(5),右幻肢痛(1)であった。FIMは94点で,移乗は殿部をスライドする方法で自立,院内は上肢筋力向上のため車いす自走とした。X+11日の時点で創部の治癒状態が悪く,やや出血と浸出液を認めた。断端は皮膚の脆弱性があり,断端末部に水疱形成を認めた。問題点としては,体幹筋群・股関節外転筋・膝伸展筋群の筋力低下,立位バランスの低下により歩行困難,左片脚立位,起立が困難になっていると考えた。また,断端の皮膚の脆弱性,創部状態の治癒遷延,浮腫等によりこの時点では義足歩行獲得は困難と予測されたが,本症例は義足歩行を強く希望されていたため,義足歩行が獲得できるよう断端管理から工夫し介入した。
【結論】
創部の治癒が遅く,入院が長期化したが,四肢・体幹の筋力向上,義足側への荷重練習に着目したことによって,義足歩行を獲得し自宅退院できた症例であった。