2:00 PM - 4:30 PM
[26P-pm093] Comparative study on human estrogen receptors α and β agonistic activity of microplastic-derived chemicals using highly sensitive reporter gene assay.
【目的】使用されたプラスチックが海洋汚染を引き起こし、海中で形成されたマイクロプラスチック(MPs)による海洋生物や食物連鎖を介したヒトへの影響が懸念されている。MPsには様々な添加剤(可塑剤、難燃剤、光安定剤、着色剤、酸化防止剤など)が含まれており、さらに、MPs表面には疎水性の高い海洋汚染物質(有機塩素系農薬、ポリ塩化ビフェニル類 PCBs など)が吸着している。今回我々は、MPsに含まれる多種多様な化学物質における内分泌撹乱作用を検証する目的から、高感度レポーターアッセイ法を用いてMPs由来化学物質のヒトエストロゲン受容体(hER)に対するアゴニスト活性を比較したので報告する。
【方法】可塑剤10物質、難燃剤10物質、UV吸収剤10物質、有機塩素系農薬10物質、PCBs10物質の計50物質を試験対象とした。hERαあるいはhERβ発現プラスミド及びエストロゲン応答配列を有するレポータープラスミドを一過性に導入したチャイニーズハムスター卵巣由来(CHO)細胞を使用した。試験物質の希釈溶液を添加後培養し、誘導されるルシフェラーゼの酵素活性を測定した。
【結果及び考察】可塑剤のフタル酸エステル類や難燃剤のブロモジフェニルエーテル類の多くにhERα/βアゴニスト活性を認めた。UV吸収剤のベンゾトリアゾール類やベンゾフェノン類にもhERα/βアゴニスト活性が認められた。残留性の高い農薬DDTやBHC、さらに低塩素化PCBsに活性を認めた。また、試験物質の化学構造とhERα/βアゴニスト活性との間には、いくつかの関連性が認められた。以上の結果より、MPs由来化学物質の多くはERを介したエストロゲン作用を有しており、MPs自体が内分泌撹乱化学物質のカクテルであることが推察された。これらの物質単独による活性は比較的弱いものの、複合的な影響(相加・相乗作用など)を考慮する必要があると考えられた。
【方法】可塑剤10物質、難燃剤10物質、UV吸収剤10物質、有機塩素系農薬10物質、PCBs10物質の計50物質を試験対象とした。hERαあるいはhERβ発現プラスミド及びエストロゲン応答配列を有するレポータープラスミドを一過性に導入したチャイニーズハムスター卵巣由来(CHO)細胞を使用した。試験物質の希釈溶液を添加後培養し、誘導されるルシフェラーゼの酵素活性を測定した。
【結果及び考察】可塑剤のフタル酸エステル類や難燃剤のブロモジフェニルエーテル類の多くにhERα/βアゴニスト活性を認めた。UV吸収剤のベンゾトリアゾール類やベンゾフェノン類にもhERα/βアゴニスト活性が認められた。残留性の高い農薬DDTやBHC、さらに低塩素化PCBsに活性を認めた。また、試験物質の化学構造とhERα/βアゴニスト活性との間には、いくつかの関連性が認められた。以上の結果より、MPs由来化学物質の多くはERを介したエストロゲン作用を有しており、MPs自体が内分泌撹乱化学物質のカクテルであることが推察された。これらの物質単独による活性は比較的弱いものの、複合的な影響(相加・相乗作用など)を考慮する必要があると考えられた。