The 140th Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Kyoto)

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(D) Health Sciences

[26P-pm] 環境科学①

Thu. Mar 26, 2020 2:00 PM - 4:30 PM [Room P] Event Hall (1F)

2:00 PM - 4:30 PM

[26P-pm097S] Practicality of mangosteen (G. mangostana) peel for cadmium removal from water environment

○Yugo Uematsu1, Fumihiko Ogata1, Chalermpong Saenjum2, Titikan Mongkolsiri2, Thanchanita Terdpanyakul2, Wiphawi Damnoensawat2, Takehiro Nakamura1, Naohito Kawasaki1,3 (1. Fac. Pharm., Kindai Univ., 2. Fac., Pharm., Chiang Mai Univ., 3. Anti-aging Center, Kindai Univ.)

【目的】カドミウムは、加工の容易さから電池や合金、顔料など多岐にわたり使用されている。しかし、その毒性は強く、ヒトに対する発がん性が認められているほか、四大公害病の一原因物質として知られている。そのため、水中からのカドミウムの除去は国際的にも重要であり、より簡易かつ低コストな技術開発が必要である。一方、マンゴスチンは、その可食部が全体の約30%といわれており、残りのほとんどは廃棄されているのが現状である。これまでに、マンゴスチン果皮が鉛やクロムの吸着能を有していることが報告されている。本研究では、新たなカドミウム除去剤としてのマンゴスチン果皮の有用性について検討した。

【方法】吸着剤にはマンゴスチン(MG)ならびにMGを500℃及び1000℃で炭化処理したもの(MG500、MG1000)を使用した。吸着質にはカドミウム標準液を使用した。吸着剤の諸物性として、電子顕微鏡画像、比表面積及びゼロ電荷点(pHpzc)を測定した。カドミウムの吸着量は、吸着等温線及び吸着速度に基づいて評価した。吸着剤の表面状態は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により測定した。

【結果及び考察】炭化処理によって吸着剤表面は塩基性にシフトし、比表面積及び細孔容積が著しく増大した。カドミウム吸着量は溶液pHの上昇に伴い、また、炭化処理の上昇により増大した。吸着等温線はLangmuir式及びFreundlich式に適合し、各吸着剤が良好なカドミウム吸着能を示すことが示唆された。吸着速度は、擬二次反応速度式に強く適合し、内部拡散が吸着に関与していることが示された。以上の結果より、マンゴスチン及びその炭化物は水中からのカドミウム除去に有用であり、これまで廃棄されていたマンゴスチン果皮の新たな利活用に寄与できる可能性が示された。