2:00 PM - 4:30 PM
[26P-pm106S] Assessment of the contribution of polycyclic aromatic hydrocarbon quinones to oxidative potential of particulate matters from atmosphere and combustion sources
【目的】
大気汚染物質である粒子状物質(PM)は,燃焼や大気内反応により生成し,各種疾患との関連について関心が高まっている.PMの健康影響として,活性酸素種(ROS)産生に基づく酸化ストレスの関与が指摘されている.PMは様々な化合物を含んでおり,多環芳香族炭化水素(PAH)のキノン誘導体(PAHQ)類は,レドックスサイクルにより触媒的に酸化還元反応を起こし,ROSを過剰生産することが示されている.本研究では,都市大気粒子や燃焼発生源粒子の酸化能(ROS産生能)を測定し,PAHQ類の寄与を評価することを目的とした.
【方法】
PAHQ類及びPM試料の酸化能は,dithiothreitol (DTT) の消費速度(μM/min)を測定するDTTアッセイにより算出した.NISTと国立環境研究所により頒布されている大気標準粒子や燃焼発生源粒子(ディーゼル/トンネル標準粉塵),ストーブを用いて燃焼させて得られた石炭,木材等の燃焼粒子のジクロロメタン抽出物についてDTTアッセイを行い,質量標準化DTT消費速度(pmol/min/μg PM)で表した.また,抽出物中のPAHQは,トリメチルシリル誘導体化してからGC-MS/MSにより測定し,PAHQの酸化能寄与の算出に用いた.
【結果・考察】
DTT消費速度は,都市大気粒子よりも燃焼発生源に由来する粒子で大きく,燃焼由来の一次生成有機物が酸化能に大きな影響を与えていることが分かった.さらに燃焼粒子の酸化能に対するPAHQの寄与率(6~36%)は,大気粒子の寄与率(2~8%)よりも高かった.自動車排ガスに由来する粒子では酸化能の高いオルト体のPAHQの寄与が98%以上を占め,石炭や木材燃焼の粒子でも50%以上を占めており,大気粒子のROS産生能に対する燃焼由来のPAHQの重要性が明らかになった.
大気汚染物質である粒子状物質(PM)は,燃焼や大気内反応により生成し,各種疾患との関連について関心が高まっている.PMの健康影響として,活性酸素種(ROS)産生に基づく酸化ストレスの関与が指摘されている.PMは様々な化合物を含んでおり,多環芳香族炭化水素(PAH)のキノン誘導体(PAHQ)類は,レドックスサイクルにより触媒的に酸化還元反応を起こし,ROSを過剰生産することが示されている.本研究では,都市大気粒子や燃焼発生源粒子の酸化能(ROS産生能)を測定し,PAHQ類の寄与を評価することを目的とした.
【方法】
PAHQ類及びPM試料の酸化能は,dithiothreitol (DTT) の消費速度(μM/min)を測定するDTTアッセイにより算出した.NISTと国立環境研究所により頒布されている大気標準粒子や燃焼発生源粒子(ディーゼル/トンネル標準粉塵),ストーブを用いて燃焼させて得られた石炭,木材等の燃焼粒子のジクロロメタン抽出物についてDTTアッセイを行い,質量標準化DTT消費速度(pmol/min/μg PM)で表した.また,抽出物中のPAHQは,トリメチルシリル誘導体化してからGC-MS/MSにより測定し,PAHQの酸化能寄与の算出に用いた.
【結果・考察】
DTT消費速度は,都市大気粒子よりも燃焼発生源に由来する粒子で大きく,燃焼由来の一次生成有機物が酸化能に大きな影響を与えていることが分かった.さらに燃焼粒子の酸化能に対するPAHQの寄与率(6~36%)は,大気粒子の寄与率(2~8%)よりも高かった.自動車排ガスに由来する粒子では酸化能の高いオルト体のPAHQの寄与が98%以上を占め,石炭や木材燃焼の粒子でも50%以上を占めており,大気粒子のROS産生能に対する燃焼由来のPAHQの重要性が明らかになった.