The 140th Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Kyoto)

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(D) Health Sciences

[26P-pm] 環境科学①

Thu. Mar 26, 2020 2:00 PM - 4:30 PM [Room P] Event Hall (1F)

2:00 PM - 4:30 PM

[26P-pm107] A nationwide survey of volatile organic compounds in indoor air from Japanese houses for an extended period

○Mikiko Takekuma1, Yuichi Horii2, Mamoru Motegi2, Koki Kikuta3, Kenichi Hasegawa4, Jinya Takeuchi4, Yoshinori Honma5, Shuang Yan5, Hiromi Yamada6, Motoya Hayashi7 (1. Saitama Pref. Inst. Pub. Health, 2. Center Environ. Sci. Saitama, 3. Hokkaido Univ., 4. Akita Pref. Univ., 5. Miyagi Gakuin Women's Univ., 6. Nagasaki Inst. Applied Sci., 7. Natl. Inst. Pub. Health)

【目的】化学物質が原因の疾患が増える1中、気道(空気)からの取込みは最重要ソースである。一方、地球温暖化対策及びエネルギー需給構造の安定化を図るために、住宅・建築物の気密性能は高まっている。更に、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられたシックハウス関連の相談件数は、2015年から増加傾向を示している。そこで、居住に係る健康リスクとして、住宅の室内空気中化学物質について、詳細に調査を行った。

【方法】各住宅の居間で、サンプリングポンプと捕集剤(TenaxTA、DNPH含浸シリカゲル)を使用して、室内空気中の化学物質を捕集した。それぞれTD-GC/MS(SIM/SCAN)法及びHPLC法で約200種類の化学物質を同定・定量し、解析を行った。

【結果及び考察】リフォーム時に使用されたと思われる1-Methoxy-2-propanol及びDimethyl carbonateや1-Dodeceneがリフォーム後半年から1年経過した時点においても室内で高濃度に検出され、全体の50%以上を占めていた。木造住宅では無垢材使用住宅でα-Pinene等のテルペン類が高濃度に検出され、全体の70~95%を占めていた。一方、集成材使用住宅では集成材の製造過程で使用されたと思われるDichloromethaneが高濃度に検出された住宅があった。その他に、複数の住宅で、Acetaldehydeが室内濃度指針値を超えて検出された。これらのことから、毒性の高い溶剤や酸化されて刺激性の強い物質に変化するものなどは化学物質過敏症などの健康影響リスクを高めると考えられた。住宅ではリスクの高い化学物質の使用を避けること、新鮮な空気の取り入れ口の確保やTotal body load(総身体負荷量)の考え方を取り入れた対策方法1の普及などの機運醸成が必要と考えられた。

1吹角隆之 アレルギー63(10), 1304-1310, 2014.