2:00 PM - 4:30 PM
[26P-pm108S] Analysis of adsorption and release of tobacco smoke chemicals on indoor interiors and fabrics as a source of thirdhand smoke
【目的】喫煙は肺癌や心筋梗塞などのリスク因子であり、近年、タバコ副流煙や喫煙者からの呼出煙による二次喫煙、衣類や壁紙などに付着したタバコ煙による三次喫煙など、受動喫煙による健康被害が問題となっている。我々の研究から、タバコ煙曝露の自覚がない非喫煙者においても、タバコ煙由来の化学物質が体内に蓄積していることから、早急にこれらの受動喫煙に対する防止策を講じる必要がある。本研究では、三次喫煙の発生源や曝露経路の情報を得るために、室内内装や布類へのタバコ煙化学物質の吸着量及び放散量をLC-MS/MS法を用いて解析した。
【方法】ニコチン及びコチニンを分析対象とし、安定同位体希釈法より、HPLC分離(Polar-RP100Aカラム)後、ESI-ポジティブモードでMRM検出、定量した。2.5 cm角に切った内装材や布試料をタバコ煙曝露チャンバー内へセットし、紙巻きタバコ1本を燃焼させ、発生した煙に一定時間曝露した。試料を取り出し、5 mLの蒸留水で抽出後、安定同位体標識溶液を加えてLC-MS/MS分析した。また、タバコ煙に曝露した試料を室内に放置した後、残存量から放散量を算出した。
【結果・考察】14種の素材について分析した結果、ニコチンはポリウレタン製合皮や塩化ビニール樹脂製壁紙、木綿製デニム生地などの繊維に吸着しやすく、ポリエステル製のネクタイやフェルトにはほとんど吸着しなかった。一方、合皮、壁紙、デニムでは72時間放置後も約50%のニコチンが残存していたが、ナイロン・ポリウレタン製ストッキングやマスク(不織布)では吸着量が比較的多いにもかかわらず72時間でほとんど放散した。これらの結果は、どのような素材が三次喫煙の要因になるかを把握できるだけでなく、タバコ煙吸着特性に着目した受動喫煙防止策を講じる上でも有効な情報になると考えられる。
【方法】ニコチン及びコチニンを分析対象とし、安定同位体希釈法より、HPLC分離(Polar-RP100Aカラム)後、ESI-ポジティブモードでMRM検出、定量した。2.5 cm角に切った内装材や布試料をタバコ煙曝露チャンバー内へセットし、紙巻きタバコ1本を燃焼させ、発生した煙に一定時間曝露した。試料を取り出し、5 mLの蒸留水で抽出後、安定同位体標識溶液を加えてLC-MS/MS分析した。また、タバコ煙に曝露した試料を室内に放置した後、残存量から放散量を算出した。
【結果・考察】14種の素材について分析した結果、ニコチンはポリウレタン製合皮や塩化ビニール樹脂製壁紙、木綿製デニム生地などの繊維に吸着しやすく、ポリエステル製のネクタイやフェルトにはほとんど吸着しなかった。一方、合皮、壁紙、デニムでは72時間放置後も約50%のニコチンが残存していたが、ナイロン・ポリウレタン製ストッキングやマスク(不織布)では吸着量が比較的多いにもかかわらず72時間でほとんど放散した。これらの結果は、どのような素材が三次喫煙の要因になるかを把握できるだけでなく、タバコ煙吸着特性に着目した受動喫煙防止策を講じる上でも有効な情報になると考えられる。