2:00 PM - 4:30 PM
[26P-pm116] Effects of water-soluble components of PM2.5 and atmospheric particulate matters of more than 3 micrometres in diameter on mast cell line (No.2)
【目的】我々は、以前からPM2.5の多成分である硫酸アンモニウム、およびPM2.5の水溶性成分がマスト細胞株(C57細胞)の増殖と脱顆粒に及ぼす影響を解析してきた。さらに、硫酸アンモニウム、および2016年4月から2017年3月に福岡県で採取(2016年度試料)したPM2.5、および粒子径が3 μmを超える大気粒子状物質(PM>3)の水溶性成分がC57細胞に細胞障害性を及ぼすかのスクリーニングを行った。その結果、PM>3試料の方がPM2.5試料より強い細胞障害性を示すこと、その影響を及ぼす成分として硫酸アンモニウムの可能性が低いことを報告した。本研究では、引き続き2017年4月から2018年3月に採取(2017年度試料)したPM2.5およびPM>3の水溶性成分がC57細胞に及ぼす細胞障害性を調べた。また、各試料についてアンモニウムイオンと硫酸イオン濃度を測定した。
【方法】試料:PM2.5およびPM>3は、ポアサイズ3 μmと0.05 μmのメンブランフィルターを連結し、大気をポンプで24時間吸引して採取した。0.05 μmのメンブランフィルター上に集積された微粒子(PM2.5相当)と3 μmのメンブランフィルター上に集積された粒子(PM>3)をそれぞれ超純水で抽出して試料とした。細胞障害性試験:それぞれの試料(100 µL)にC57細胞 1x105 cells/mL(100 µL)を加え、37℃、CO2インキュベーターで4時間培養後、乳酸脱水素酵素(LDH)を測定し、その放出率より解析した。また、大気捕集時間における平均PM2.5飛散量と平均SPM飛散量は、試料採取地近傍の福岡市大橋自排局の速報値を参照した。
【結果および考察】2017年度試料がC57細胞に及ぼす細胞障害性は、2016年度試料と比較してPM2.5およびPM>3の両者とも減弱していた。また、2017年度試料のPM2.5とPM>3の細胞障害性は、同程度であることが分かった。さらに、2017年度試料と2016年度試料のPM2.5のアンモニウムイオン、硫酸イオン濃度および平均PM2.5濃度は同程度であった。一方、2017年度試料のPM>3は、2016年度試料と比較してアンモニウムイオン濃度は同程度であったが、硫酸イオン濃度、平均SPM濃度は増加傾向であった。以上のことから、2017年度試料がC57細胞に及ぼす影響は小さく、アンモニウムイオン、硫酸イオン、PM2.5、およびSPM濃度と相関しないことが示された。
【方法】試料:PM2.5およびPM>3は、ポアサイズ3 μmと0.05 μmのメンブランフィルターを連結し、大気をポンプで24時間吸引して採取した。0.05 μmのメンブランフィルター上に集積された微粒子(PM2.5相当)と3 μmのメンブランフィルター上に集積された粒子(PM>3)をそれぞれ超純水で抽出して試料とした。細胞障害性試験:それぞれの試料(100 µL)にC57細胞 1x105 cells/mL(100 µL)を加え、37℃、CO2インキュベーターで4時間培養後、乳酸脱水素酵素(LDH)を測定し、その放出率より解析した。また、大気捕集時間における平均PM2.5飛散量と平均SPM飛散量は、試料採取地近傍の福岡市大橋自排局の速報値を参照した。
【結果および考察】2017年度試料がC57細胞に及ぼす細胞障害性は、2016年度試料と比較してPM2.5およびPM>3の両者とも減弱していた。また、2017年度試料のPM2.5とPM>3の細胞障害性は、同程度であることが分かった。さらに、2017年度試料と2016年度試料のPM2.5のアンモニウムイオン、硫酸イオン濃度および平均PM2.5濃度は同程度であった。一方、2017年度試料のPM>3は、2016年度試料と比較してアンモニウムイオン濃度は同程度であったが、硫酸イオン濃度、平均SPM濃度は増加傾向であった。以上のことから、2017年度試料がC57細胞に及ぼす影響は小さく、アンモニウムイオン、硫酸イオン、PM2.5、およびSPM濃度と相関しないことが示された。