The 140th Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Kyoto)

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Luncheon Seminar

[LS10] NITTO PHARMACEUTICAL INDUSTRIES, LTD.

Fri. Mar 27, 2020 12:30 PM - 1:30 PM [Room B] Room B-1 (2F)

12:30 PM - 1:30 PM

[LS10] Application of exopolysaccharides produced by gut microbe to drug discovery and functional food targeting metabolic diseases

○Ikuo Kimura1,3, ○Junichiro Irie2,3 (1. Grad. Sch. Agri., Tokyo Univ. Agri and Tech., 2. Keio Univ. Sch. Med, 3. AMED-CREST)

【講演1】
細胞膜上脂肪酸受容体群の同定により、食由来脂肪酸が単なるエネルギー源だけではなく、シグナル分子として重要であることが明らかとなり、肥満・糖尿病等の代謝性疾患の標的分子として、脂肪酸受容体群は注目されている。また、腸内細菌叢がその宿主のエネルギー調節や栄養の摂取、免疫機能等に関与し、肥満や糖尿病などの病態に直接的に影響するという多数の報告から、医学的側面からも食と腸内細菌、健康への関心は益々高まり、腸内細菌と宿主恒常性維持の分子機序の解明が早急の課題となった。我々は食由来、特に食物繊維などの難消化性多糖類から腸内細菌による発酵で生じ、宿主にとって重要なエネルギー源となる腸内細菌代謝物、短鎖脂肪酸に着目し、宿主を結びつける生体受容体の作用メカニズム(生活習慣病発症機序)を明らかにしてきた。そして、現在、我々は、一部の腸内細菌が糖代謝過程で合成する菌体外多糖(EPS)を機軸に、宿主の食の違いと、腸管内で産生される難消化性多糖EPSによる腸内細菌-宿主相互作用の解明を進めている。本講演では、この腸内細菌産生EPSと宿主エネルギー代謝制御、そして創薬・機能性食品素材への応用について概説する。

【講演2】
肥満症や2型糖尿病患者においては、腸内細菌叢の多様性が減じており、また腸管内の代謝産物に偏りが認められることが近年注目を集めている。特に、腸管内の胆汁酸や短鎖脂肪酸濃度の変化は、インクレチン応答の低下を惹起すると考えられており、短鎖脂肪酸の注腸やエステル化製剤を応用した糖尿病治療が臨床で試験されている。メトホルミンなどの既に臨床で用いられている治療薬においても、腸管内の代謝産物を変化させることが耐糖能を改善する機序の一部をなすことが明らかになった。食事療法においても腸内細菌の関与が指摘され、例えば肥満症や糖尿病に有益であるとの報告が多い難消化性多糖は、腸内細菌により代謝されることが、効果の発現に重要であることが示されている。腸内細菌による腸管内の代謝を応用した、新たな肥満症・糖尿病治療戦略が期待される。