The 140th Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Kyoto)

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Symposium

[S02] Look back on the eye with basic research, clinical science and drug repositioning

Thu. Mar 26, 2020 9:00 AM - 11:00 AM [Room B] Room B-1 (2F)

Organizers: Hideaki Hara (Gifu Pharm Univ), Hiroshi Kosano (Teikyo Univ), Yosuke Nakazawa (Keio Univ)

9:59 AM - 10:17 AM

[S02-4] Ocular Drug Delivery System-Based on Solid Nanoparticles

○Noriaki Nagai1 (1. Kindai University)

点眼薬は安全性や利便性の面から現在臨床にて広く受け入れられている剤形であり,ヒトやペットの眼疾患治療において第一選択とされる.一方,点眼された薬物は涙液によって希釈され,鼻涙管を通じて短時間(10分以内)で眼表面から洗い流されることから,点眼後の薬物滞留性向上が今後の点眼薬の改善点のひとつとして挙げられている.また,点眼薬が毛様体や水晶体といった眼内組織で薬効を発現するためには,薬物が角膜を透過し眼房水中に移行する必要がある.しかし,角膜上皮は薬物透過に対するバリアとして機能しており,薬物の眼内移行量はわずかである.このため眼内組織を標的とした薬物治療には,高いバリア機能を有する角膜の薬物通過性を高め,眼内への効果的な薬物供給を可能とする工夫が必要である.これら課題を解決すべく,粘性ポリマー溶液,ハイドロゲル,リポソームやナノパーティクルなど様々な技術が研究されており,今後これら剤形の適用により,既存の点眼薬の効果が十分に引き出され,有用な眼疾患治療システムが確立されることが期待される.演者らもこれら点眼薬の機能向上に向け,ナノ結晶を基盤とした製剤設計について研究を進めてきた.その成果として,懸濁分散液中の薬物粒子サイズを数十ナノ~数百ナノの間で制御することで,薬物の角膜や結膜への付着・滞留性が変化することを見出した.また,薬物超微粒子(100 nm以下)を点眼した際には,角膜上でエネルギー依存的な膜透過機構が働き,従来の溶液型や懸濁型点眼薬と比較し,高い薬物眼内移行が得られることを示した.本講演では,次世代の点眼製剤に関する知見として,ナノ結晶の点眼薬への応用性について,我々の研究成果をふまえて紹介する.