The 141st Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Hiroshima)

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株式会社フォーリーフ

株式会社フォーリーフ

企業の特色
株式会社フォーリーフ のぞみ薬局は広島市安佐北区という限られた地域に5店舗展開している小さな薬局グループです。その地域の方々がその地域で健康に暮らしていけるよう、責任をもって対応する薬局として、健康サポート薬局2店舗を運営しています。
2店舗とも薬剤師10名前後が在籍する大型店で、多くの患者様に利用していただき、未病から看取りまで、地域のニーズに対応しています。

在宅業務は15年以上の実績を持っています。きっかけは窓口の聴取で状況が理解できない方の生活が知りたくて、見に行くところから始めています。見に行って初めて薬を飲むという行為ができていないことを知りました。その状態を改善するために医師と連絡を取ったり、担当の訪問看護師を訪ねたり、残薬がなくなるまで工夫を重ねていったことがケアマネージャーに評価されて在宅業務の依頼を受けることにつながりました。

地域の連携にはいろいろな仕組みやITを含めたツールが有用であると思います。しかし、あくまで一人の患者様のことをいろいろな職種の人が考えて、問題を解決していく過程の中でお互いの職能を理解し、連携ができていくことを学びました。

基幹病院の退院時カンファレンスに参加するようになって、薬局が無菌室を持つことが必要なことだということに気づきました。注射薬が用意できる薬局が地域になければ、必要な患者には退院という選択肢がないことを知りました。それまでは処方箋が来ないと思っていました。薬局が住民の選択肢を制限することがあってはならないことです。2店舗に無菌室を設置し、クリーンベンチと安全キャビネットを整備しました。2店舗の距離は車で15分位ですが、無菌調剤は至急で必要なことも多いので、2店舗とも用意しています。

薬剤師業務がどんどん対人業務に移行していくので、調剤はできる限り機械化しています。
日々の問題解決のため、研修・症例検討会を続けています。4月からは医療薬学会の地域薬学ケア専門薬剤師(一般)の研修施設(連携施設)として専門薬剤師の育成にも努めていきます。

この薬局はあくまで人が作っています。薬剤師のみならず、管理栄養士、登録販売者、事務、それぞれが地域の人たちに少しでも穏やかに暮らしていただけるよう笑顔を届けています。
コロナ禍においても患者数の減少はほとんどありませんでした。地域の皆様に支えていただいていることを実感しました。
「今来てくださっている患者様を最後まで見届けたい」という願いを持っている薬剤師が働いています。地域に貢献できる仲間を募集しています。
 
事業統括部長 岡 敦子

 
学生へのメッセージ
私はのぞみ薬局本店に入社し、10年近く外来および在宅業務に携わっています。この10年で薬剤師の取り巻く環境は刻々と変化していますが、薬剤師として大変やりがいを感じています。

ポリファーマシーや腎機能を考慮した処方提案により、患者の有害事象を回避し、減薬にも積極的に関わっています。必要のない薬と判断し、医師に処方提案しても、長年服用している薬を減量あるいは中止することに、不安を感じる方がいます。しかし、投薬後のフォロー体制を整えておくことで、うまくいく場合が多いです。また、「かかりつけ薬剤師」として、患者が安心して治療を継続できるよう、服薬情報等を一元的・継続的に把握しています。患者から「担当薬剤師がいることで安心して薬を飲むことができる」、「なんでも相談しやすい」と、言われることもあります。のぞみ薬局では薬剤師が薬物治療の立役者として活躍しています。

「健康サポート薬局」としては、地域住民に向けた健康相談会や勉強会を薬局で開催しています。老人会などに出向き、要望のあった内容で講演したりすることもあります。薬局外での活動により、薬剤師の仕事を地域住民にも知ってもらい、信頼関係も築くことができるのです。

「在宅医療」では、自宅でも安心して療養できるように退院時カンファレンス等に参加し、多職種とも顔の見える関係をつくります。特に終末期医療や緩和ケアに力を入れており、病院に近いレベルのケアが受けられるようオピオイド持続皮下注やTPN製剤の調剤など無菌調剤も積極的に行っています。しかし、病院と違ってすぐに患者のもとに駆け付けることが困難なため、患者や家族の不安は大きくなります。このような状況においても、医師への処方提案等により、患者の状態に適した薬物療法を可能とし、看護師やケアマネージャー等との連携により、本人や家族の希望に沿った医療が提供できます。数多くの方を看取ってきましたが、ご家族から「本人の希望通り自宅で最期を迎えることができて良かった」、「それぞれの職種の方が連携できているので、困った時にはすぐに対応してもらえた」、「安心して最期を看取ることができた」などの声をかけていただくこともあります。チーム医療の一員として地域医療を支えていると実感できる瞬間です。このような薬剤師としての積極的な活動により、薬局薬剤師としては数少ない緩和薬物療法認定薬剤師を取得しました。

薬剤師の活躍の場は広がり続けています。大学では薬剤師として必要な知識や技能を学ぶだけでなく、多くの人と交流し、様々な体験を通して豊かな人間性を養っていくことも大切です。皆様に現場でお会いできることを楽しみにしています。
 
のぞみ薬局本店 浅野 陽子