The 141st Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Hiroshima)

Presentation information

Oral Presentation

(A) Organic Chemistry

[27V03-pm] アミノ酸・ペプチド②

Sat. Mar 27, 2021 3:15 PM - 5:03 PM [Room V03] Oral Presentation 3 (Online)

座長:牧野 宏章(東京理大薬)、井貫 晋輔(京大院薬)

3:51 PM - 4:03 PM

[27V03-pm13S] Control of Tertiary Amide Equilibrium and Peptide Conformation by Cyclized Tryptophan

○Akitomo Kasahara1, Yuko Otani1, Tomohiko Ohwada1 (1. Grad. Sch. Pharm. Sci., The Univ. of Tokyo)

【背景・目的】アミド結合の立体配座にはcis型とtrans型があり、それらは溶液中で平衡状態にある(アミドcis-trans平衡)。ペプチドにおいて多くの天然α-アミノ酸は二級アミドを形成しtrans型のみをとる一方で、α-プロリンは三級アミドを形成しcis型とtrans型の両方が存在する。さらに、α-プロリンにはピロリジン環のパッカリングが存在するので、特定のペプチド局所構造を誘起するために、アミドのcis型とtrans型の制御とピロリジン環のパッカリング構造の制御は重要な課題である。そのため、アミドcis-trans平衡とピロリジン環パッカリング構造を制御するために種々のプロリン誘導体がデザイン・合成されてきたが、それらの構造制御能力は未だ完全ではない。本研究ではトリプトファンの分子内環化反応によって生じるトリプトファン環化体(c-Trp)がプロリン型の三級アミドを形成する点に着目し、アミドcis-trans平衡の制御とピロリジン環のパッカリング構造の制御を目指してc-Trp誘導体の合成を行った。
【方法・結果】c-Trpにはα-プロリンにはみられない三環式構造に由来する2つのジアステレオマーであるexo環化体とendo環化体が存在するため、それぞれを含むモデルペプチドを合成し、コンフォメーションをNMR、DFT計算および分子動力学計算によって解析した。その結果、c-Trpのexo環化体がtrans型選択的である一方、endo環化体がcis型選択的であることに加えて、N8位への適切な置換基R1の導入により、プロリン型三級アミドのcis-trans平衡を制御しうることを見出した。さらに、c-Trpはピロリジン環のコンフォメーションが固定されていることによって近傍アミノ酸の二面角を制御する効果を有しており、exo環化体とendo環化体のそれぞれがPPII-ヘリックス構造やβ-ターン構造などの生理活性に重要なペプチド局所構造を選択的に誘起しうることを見出した。