The 141st Annual Meeting of the Pharmaceutical Society of Japan (Hiroshima)

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Oral Presentation

(E) Biopharmaceutics

[28V09-pm] 薬剤疫学/医療経済学/その他

Sun. Mar 28, 2021 3:51 PM - 4:51 PM [Room V09] Oral Presentation 9 (Online)

座長:岡田 裕子(高崎健康福祉大薬)、林 稔展(福岡大)

4:27 PM - 4:39 PM

[28V09-pm17S] Estimating the range of incremental Cost-Effectiveness thresholds based on Willingness to pay and GDP per capita

○Haru Iino1, Masayuki Hashiguchi1, Satoko Hori1 (1. Fac of Pharmacy. Keio Univ.)

目的:医療における政策の意思決定には費用と得られる効果の両面を評価することが重要となる。その際、基準となる閾値の決定には、社会における1単位の質調整生存年(QALY)を獲得するための最大支払い意思額(WTP)や国民一人あたりのGDP等を勘案する必要がある。しかし、両者の関連性を検討した報告は少ない。本研究ではWTP/QALYと一人あたりのGDPまたは健康調整寿命(HALE)との関連性を調査し、WTPを元に新たな費用対効果閾値の範囲を探索した。
方法:MEDLINE, Web of Scienceを用い文献を調査した。採択基準は1.WTP/QALYを調査している, 2.一般集団に対する調査である, 3.英語で書かれた文献であるとした。収集した文献から国ごとのWTP/QALYの値を求め、WTP/QALYと一人あたりのGDPまたはHALEとの回帰分析を行った。
結果:検索の結果19報の文献(16ヵ国の値)が得られた。WTP/QALYの平均値と一人あたりのGDPとの比較では、多くのWTP/QALYの値は一人あたりのGDPの0.5-2倍の範囲内であった。中央値との比較では、0.5倍以下の範囲内であった。WTP/QALYとHALEとの比較では、外れ値である台湾を除外した場合に統計学的に有意な正の相関(r=0.645 p=0.009)が認められた。
考察:本研究より、閾値設定の範囲としてWHOが推奨する一人あたりのGDPの1-3倍より低い範囲が示された。WTPは消費者の選好に基づくため、この範囲を用いることで一般に容認しやすい規準を設定できる可能性がある。日本に適応した場合、約200万-800万円となり、現在利用されている閾値(500万円)が収まることから、今回の結果は妥当だと考えられる。