[AW-05] 医療事務員による女性特有の症状の悩みに寄り添った健康推進への取り組み
【目的】2018年に経済産業省が実施した「働く女性の健康推進」に関する実態調査によると、女性従業員の約5割が女性特有の健康課題などにより職場で困った経験があると回答している。今回、月経前症候群(PMS)・更年期症状に着目した調査を行い、女性特有の健康問題に対して薬局が取組むべきテーマや課題を明らかにすることを目的とした。
【方法】2022年4月1日~4月30日の期間、 エクオール含有食品と月経前症候群治療薬等を取り扱う8店舗において、女性特有の症状と関連商品への意識を調査、集計した。調査は来局した20歳以上の女性を対象に無作為に行い、調査には統一のアンケート用紙を作成し、集計に利用した。
【結果】今回342名から回答を得られた。「月経前に体や精神的な症状で悩んだことがある」と回答したのは174名(50.9%)、そのうち「症状について家族・友人に相談したことがある」は93名(53.4%)、「誰にも相談せず過ごしている」は81名(46.6%)であった。また「家庭や仕事に影響が出たことがある」は121名(69.5%)。「治療薬やサプリメントに興味がある」は224名(65.5%)という結果となった。また関連製品の販売は期間中18件に留まった。
【考察】多くの女性が悩みを抱えており、そのうち半数近くが誰にも相談できずにいること、また関連商品に興味を持っているが、それらの求めを察知し商品の提案を十分にできていないことがわかる。商品に関する知識習得はもちろんであるが、何より薬局利用者が相談しやすい雰囲気づくりに努め、そこで患者の求めを的確に把握し、薬剤師・栄養士へパスを繋ぐ体制強化が必要である。厚生労働省が策定している「患者のための薬局ビジョン」では、地域住民への健康の維持・増進を担う健康サポート機能が問われている。その担い手として、薬局利用者にとって最初の窓口となる医療事務員の活躍も期待される。