[DS3] 帯状疱疹予防の重要性について考える:
薬剤師から患者さんに理解していただくコミュニケーションツール
VPD は、「Vaccine Preventable Disease」の略語で、ワクチンで防ぐことができる病気や感染症の総称である。VPDというと多くは小児が対象になると連想するが、大人を対象とする感染症もある。その代表格は、近年だと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)があげられる。2019 年 12 月に中国で発生が報告されたCOVID-19 は、瞬く間に世界に広がった。その後、ワクチンが開発され、現在では完全な封じ込みはできていないが、一定の効果が確認されている。ワクチンはCOVID-19 以外にもこれまで多くの感染症の流行防止と死亡者の大幅な減少をもたらし、現在もたくさんの感染症の流行を抑制している。COVID-19 を始め、感染症の多くはワクチンに加えて、マスク着用、手洗い、うがいなどの自己防衛によって感染リスクの低減をはかることができる。しかし、このような自己防衛が奏功しない感染症も存在する。帯状疱疹である。帯状疱疹は、加齢による免疫低下が主原因となって発症する感染症である。症状は、ピリピリとした痛みに始まり、赤い発疹が増え、神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、長期に痛みが続くこと(帯状疱疹後神経痛:PHN)があり、Quality of Life(QOL)を大きく低下させる可能性がある。昨今、コロナ禍で帯状疱疹患者が増えているという報告もあり、健康寿命延伸の観点からもより一層、帯状疱疹の予防に目を向けることが重要になってきている。そんな帯状疱疹であるが、近年、50 歳以上の人は、ワクチンを接種することによって帯状疱疹を予防することが可能となった。しかしながら、帯状疱疹を予防するワクチンの認知度はまだまだ低く、また存在は認識していてもワクチン接種に至るケースは十分とは言えない。患者と向き合う機会の多い我々薬剤師にとって、帯状疱疹および予防ワクチンの認知度の向上に向けてやるべきことは多く残されている。
本セミナーでは、VPD、特に高齢者で発症リスクの高まる帯状疱疹の疾患特性、予防方法について解説をし、薬学的観点から帯状疱疹予防の重要性について患者に伝達するコミュニケーション方法についてディスカッションしたいと考える。
本セミナーでは、VPD、特に高齢者で発症リスクの高まる帯状疱疹の疾患特性、予防方法について解説をし、薬学的観点から帯状疱疹予防の重要性について患者に伝達するコミュニケーション方法についてディスカッションしたいと考える。