[P-004-A] 抗悪性腫瘍薬に対するツールを用いた服薬フォローアップ~副作用の早期発見・早期対応を目指して~
【目的】
抗がん薬治療において副作用は起こり得るものであり、適切な服薬フォローアップ(以下FU)は患者QOLの向上に必要とされている。しかし、副作用の起こりやすい時期や症状は抗がん薬ごとに異なっており、FUの方法も標準化されておらず、漠然とした体調変化の確認しか行えていなかった。そこで、副作用の好発時期をメインに、抗がん薬ごとのFU内容をまとめた「FUシート」を作成し、運用効果を検証した。
【方法】
東京地区の7薬局で処方される抗がん薬16種類に対し、それぞれの副作用の好発時期を電話推奨時期として記したシートを作成した。2020年1月1日~2021年5月31日の間に来局し、対象の抗がん薬が処方された患者に対し、シートを用いたFUを提案した。同意を得られた患者に、電話推奨時期にFUを実施した。副作用が確認され、「シートに記載された医療機関情報提供目安に該当する症状がある」もしくは「医療機関が把握していない副作用を発見した」場合、トレーシングレポートを用いて医療機関に情報共有をした。
【結果】
期間内に対象となる抗がん薬が処方された患者132名の内、FUに同意したのは42名であった。その全員に対し、それぞれの電話推奨時期に、計50件のFUを実施した。その結果、15件の副作用が確認され、トレーシングレポートで医療機関へ情報共有したのは7件であった。情報共有の内容はいずれも「医療機関が把握していない副作用を発見した」場合に該当した。
【考察】
シートを使用することで、薬剤師の経験などに左右されず、副作用の好発時期に適切なFUを行うことが可能になったと考えられる。また、副作用が発生した約半数が「医療機関が把握していない副作用を発見した」ケースであり、病院への有益な情報提供につながったと考えられる。以上より、抗がん薬使用患者のFUにおいて、副作用の好発時期を意識したシートによって標準化されたFUの運用効果は高いと考えられる。
抗がん薬治療において副作用は起こり得るものであり、適切な服薬フォローアップ(以下FU)は患者QOLの向上に必要とされている。しかし、副作用の起こりやすい時期や症状は抗がん薬ごとに異なっており、FUの方法も標準化されておらず、漠然とした体調変化の確認しか行えていなかった。そこで、副作用の好発時期をメインに、抗がん薬ごとのFU内容をまとめた「FUシート」を作成し、運用効果を検証した。
【方法】
東京地区の7薬局で処方される抗がん薬16種類に対し、それぞれの副作用の好発時期を電話推奨時期として記したシートを作成した。2020年1月1日~2021年5月31日の間に来局し、対象の抗がん薬が処方された患者に対し、シートを用いたFUを提案した。同意を得られた患者に、電話推奨時期にFUを実施した。副作用が確認され、「シートに記載された医療機関情報提供目安に該当する症状がある」もしくは「医療機関が把握していない副作用を発見した」場合、トレーシングレポートを用いて医療機関に情報共有をした。
【結果】
期間内に対象となる抗がん薬が処方された患者132名の内、FUに同意したのは42名であった。その全員に対し、それぞれの電話推奨時期に、計50件のFUを実施した。その結果、15件の副作用が確認され、トレーシングレポートで医療機関へ情報共有したのは7件であった。情報共有の内容はいずれも「医療機関が把握していない副作用を発見した」場合に該当した。
【考察】
シートを使用することで、薬剤師の経験などに左右されず、副作用の好発時期に適切なFUを行うことが可能になったと考えられる。また、副作用が発生した約半数が「医療機関が把握していない副作用を発見した」ケースであり、病院への有益な情報提供につながったと考えられる。以上より、抗がん薬使用患者のFUにおいて、副作用の好発時期を意識したシートによって標準化されたFUの運用効果は高いと考えられる。