第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-005-B] インスリン及びスルホニルウレア剤を使用する糖尿病患者への服薬後フォローを介した薬剤師の貢献の検証

名執 翔1, 久木 俊成1, 本堂 葵1, 永田 実沙2, 安原 智久2 (1.ウエルシア薬局堺草尾店, 2.和歌山県立医科大学)

【目的】糖尿病の薬物療法においてインスリン及びスルホニルウレア剤を使用する患者は、低血糖等の重篤な副作用の起こる可能性が高く、薬に対する恐怖感を抱きやすい。しかし、これらの薬の適切な使用なしに血糖値コントロールは難しく、糖尿病網膜症などの大きな合併症の誘発に至ればクオリティーオブライフの大幅な低下に繋がる。本研究の目的は、副作用リスクがあるため患者が忌避しやすい薬物療法上重要なハイリスク薬における服薬後フォローが、患者のコンプライアンスや検査値改善につながり、薬物療法の正しい理解に基づいたアドヒアランスの向上に繋がるかを検証する。
【方法】ウエルシア薬局の堺中・北および堺南・和泉エリア28店舗においてインスリン及びスルホニルウレア剤を使用する糖尿病患者に対し服薬後フォローの提案を行った。フォローの受け入れに関わらず本研究の目的と方法を説明し、研究協力に同意した患者に服薬状況や検査値などを確認するアンケートを実施した。フォロー受け入れ患者には、次回来局時までに電話等の方法でフォローを実施した。研究協力者には来局ごとにアンケートを行った。
【結果】服薬後フォローを行った患者のうち研究協力が得られた20名では、コンプライアンスの低下、副作用の発現、検査値から見る病状の悪化が見られなかった。
【考察】フォローを受け入れ研究協力に同意する患者は、もとよりコンプライアンスが高く副作用も抑えられている。服薬フォローをすることで検査値の改善や残薬調整、副作用発現の低減に繋がっているか検証するためには、比較対象となる服薬フォローを受け入れない患者の協力が必要となる。今後は、服薬フォロー後の経過観察を継続するとともに、比較対象となる患者の協力が得らえるよう研究方法を改善することで、薬剤師による服薬フォローが患者の検査値の改善や残薬調整、副作用発現の低減に繋がっているかを詳しく検証していく。