第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-008-B] 特定薬剤管理指導加算2算定患者への薬剤師の服用期間中のフォローアップの内容分析

足立 昇平1, 下川 友香理2, 長澤 陽3, 中村 泰朗1, 本田 雅志2, 坂口 敦彦1, 原田 素子1, 本村 真悟1, 牧 りえ1, 荒井 元志4 (1.総合メディカル(株) そうごう薬局 天神中央店, 2.総合メディカル(株) 学術情報部, 3.総合メディカル(株) 福岡中央ブロック, 4.総合メディカル(株) そうごう薬局 塩原店)

【目的】2020年4月に特定薬剤管理指導加算2が新設され、がん治療に係る病院と連携をとった上で、保険薬剤師が外来がん薬物治療患者の服薬期間中に電話等によるフォローアップ(以下FU)を行い、得た情報を病院に提供することが評価された。今回、そうごう薬局天神中央店で特定薬剤管理指導加算2を算定した事例について、FUした内容を調査・分析したため報告する。【方法】2020年4月から2021年8月までに特定薬剤管理指導加算2を算定した患者の服薬情報提供書を調査した。その上で、FUに至った経緯や内容について、予め設定した11項目について分類し、分析した。【結果】期間中に特定薬剤管理指導加算2を算定した患者は100名、算定件数は319件、FU報告件数は319件であった。また、報告内容の内訳としては1.緊急入院0件、2.予定外受診1件、3.抗がん剤休薬0件、4.支持療法の処方提案(反映あり)33件、5.支持療法の処方提案(反映無し)24件、6.支持療法の使用法指導107件、7.対処療法指導・不安軽減114件、8.ノンアドヒアランス回避4件、9.病院薬局相互確認2件、10.特別な問題なく経過観察94件、11.その他2件であった。処方提案した支持療法は、便秘・下痢に関するものが最も多く(19件)、次いで皮膚障害(10件)、悪心(9件)であった。支持療法の使用法を指導した副作用についても、最も多かったのが便秘・下痢(37件)、次いで皮膚障害(35件)、悪心(14件)であった。【考察】今回の調査では、FUの75%において薬剤師から何らかの介入が行われており、その中でも医師に対する支持療法の処方提案や患者に対する支持療法の使用法の指導、がん患者が抱える不安軽減に貢献したものが多いことが明らかとなった。これは、保険薬剤師も外来がん治療に関する知識や技術を習得し、病院と適切に連携することで、外来がん治療患者のQOL維持に貢献できることを示唆していると考えられる。