第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2022年11月6日(日) 14:10 〜 15:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-011-B] 代理服薬フォローによるフォロー件数の改善と情報提供について

土岐 知聖1, 三浦 日菜子1, 島田 敏志1, 手島 敬子1, 軸丸 直美1, 多田 貴彦2 (1.(株)永冨調剤薬局市浜店, 2.(株)永冨調剤薬局敷戸店)

【目的】2020年9月1日から調剤後の服薬フォローアップが義務化された。実施にあたり「患者の理解を得るための説明」「患者の連絡スケジュール管理」等、業務量の増加がみられた。特にかかりつけ患者同意数の多い薬剤師では、対応する患者数も比例して多くなるため、薬剤師間での業務量に偏りが見られるようになった。タスクシフトとして他の薬剤師が代理で服薬フォローアップ(以下、代理フォロー)を行うことで業務量の均一化を図り、服薬フォローアップ全体の件数や医師への情報提供書の提出回数に影響があるのか調査し、少しでも多くの患者が正しく安全に医薬品を使用してもらうことを目的とする。
【方法】2021年1月1日から2022年3月31日の期間において、かかりつけ患者同意数の多い薬剤師が服薬指導を担当した患者のうち、他の薬剤師が代理フォローを行うことを説明し、了承を得た患者を対象に実施した。代理フォローの内容は、担当薬剤師と共有し、必要に応じて医師への情報提供の必要性を協議した。
【結果】2021年10月1日から12月31日(介入前)と2022年1月1日から3月31日(介入後)で「服薬フォローアップの件数」は67件から119件、「服薬情報等提供料2の算定回数」は11件から25件であり、有意に増加した(P<0.05)。「医師への情報提供書の提出回数」は2件から9件へと増加傾向を示した。
【考察】代理フォローを実施することで服薬フォローアップ全体の件数が増加し、より多くの患者の調剤後の状況を把握することができた。また服薬フォローアップ数の増加に伴い、医師への情報提供書の提出回数も増加し、従来よりも多くの患者に医薬品の適切な服用を促す結果となった。タスクシフトによる業務量の均一化を目的とした代理フォローは、服薬フォローアップの件数だけではなく、その質をあげる可能性もあり、薬剤師1人ではなく薬局の薬剤師全員で1人の患者の服薬状況を一元的に管理する有用性を確認できた。