第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-025-A] 若手薬剤師育成~ポリファーマシーへの取組~

関谷 陽子1, 塙 真美子2, 鈴木 賀子3, 笛木 敦史4, 笛木 景子5, 佐藤 尚也6, 菅原 知世7, 三宅 大樹8, 新澤 京1 (1.クオール(株)関東第六事業部, 2.クオール薬局調布店, 3.クオール薬局高島平店, 4.クオール薬局草加店, 5.クオール薬局ユーカリ店, 6.クオール薬局王子店, 7.クオール薬局滝野川店, 8.クオール薬局清水町店)

【目的】超高齢化社会の中で、多剤服用、ポリファーマシーが問題となっている。しかし、ポリファーマシーへの介入を生む要因が様々であり、患者個々の思いや医師との連携等、対応の難しさもある。今回、症例検討会を通して、ポリファーマシーへの介入について、個々の薬剤師が能力を向上させ、一定の成果と課題を見出したので報告する。【方法】関東第二薬局事業本部内の2年目から5年目の薬剤師を対象に、月1回症例検討会を実施した。44店舗における薬剤師60名が参加し、7グループに分かれて、zoom開催で行った。期間は、2021年4月~2022年1月までの10か月間である。毎月、店舗ごとに6剤以上服用の患者で、ポリファーマシー介入が必要な事例を共有し、ガイドライン、患者のナラティブを確認し、議論した。【結果】全チームの症例検討会の総回数は、27回であった。症例提示数は41症例であった。2020年度の服用薬剤調整支援の算定は、59件であったが、2021年度の算定は、69件となった。減薬提案した事例は、143件だった。内容は、胃腸薬の重複、症状改善後の漫然投与、ビタミン剤の漫然投与、鎮痛剤症状改善後の漫然投与、向精神薬、睡眠薬の重複等、腎機能悪化時の過剰投与であった。【考察】この取組を実施することで、若手薬剤師によるポリファーマシーへの介入が増えた。できていない理由としては、ポリファーマシーの要因が、患者側の要因と医療者側の要因が絡み合っていることが言える。患者は、複数の医療機関を受診し、併用薬が医師側に伝わっていない事例が多い。また、多剤服用していることで、安心感や過度の期待、中止への恐怖感をもっていることもある。医療者側の要因としては、診療科ごと専門性の高い治療により、処方薬が選択されている。この取組を行うことで、処方薬の解析に目を向け、自店舗のみでは解決できない様々な視点から意見がだされ、減薬提案に繋がったと考えられる。