[P-027-C] 糖尿病患者における薬剤使用期間中の患者フォローアップ実態調査
【目的】2020年9月に改正薬機法が施行され、薬局薬剤師は調剤時に限らず薬剤使用期間中に必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行うことが義務化された。これを受け我々は、業務の質を担保するためにフォローアップシートを作成し、電話で薬剤使用期間中のフォローアップを行ってきた。本研究は、その実態から今後の薬剤使用期間中のフォローアップの在り方を考察すことを目的とした。
【方法】糖尿病治療薬を服用している患者の処方変更時に行った、患者のフォローアップシートと薬歴から、年代、性別などの患者背景及び、処方変更後の効果の確認、服薬状況、有害事象、併用薬・健康食品の変更有無、その他相談事項について後ろ向きに調査した。なお、薬剤使用期間中の患者フォローアップに同意しなかった患者、薬剤使用期間中の患者フォローアップに同意したが、電話が繋がらないなどの理由で薬剤使用期間中の患者フォローアップが出来なかった患者は、未実施群として次回来局時に確認した薬歴の内容を対照とした。
【結果】22の保険薬局で薬剤使用期間中の患者フォローアップが164件、次回来局時の確認が83件、合計247件のデータを解析した。薬剤使用期間中の患者フォローアップは70歳代に多かった。期間中のフォローアップの14%(23/164件)に有害事象が、4.9%(8/164)に服用忘れが確認されていた。
【考察】有害事象をはじめ、服薬を継続する上で必要な情報が確認できており、薬剤使用期間中の患者フォローアップの重要性が確認できた。一方で、患者背景や処方変更内容に合わせたフォローアップの方法、内容を検討する必要性が明らかとなった。