[P-047-B] 待ち時間を利用しタブレット端末を用いて吸入指導を行った事例
【目的】コロナ禍によって十分なコミュニケーションが取れない状況が続いている。薬局においても例外ではなく、練習用吸入器を用いた十分な服薬指導を行うことが難しくなっている。そこで感染リスクを抑えるため、そして患者が正しい吸入手技を実施できるために、タブレット端末を用いた吸入指導を実施したのでその事例を報告する。【方法】処方箋受付後、待ち時間を利用してタブレットで吸入手技の動画を視聴。吸入手技の理解度について8項目の吸入手順をリスト化したチェックリストを用いて把握。自宅で吸入手技が確認できるようお薬手帳に吸入手技の動画サイトにリンクするQRコードを貼付。テレフォンフォローアップ(TF)を実施し正しい吸入手技が継続できているか確認。喘息コントロールテスト(ACT)スコアを用いて、喘息のコントロール状況を把握。以上の内容を医療機関へフィードバック。【事例】20代男性 気管支喘息。レルベア®とメプチンエアー®を使用。初回 動画を視聴。8項目中7項目は正しく実施。吸入手技を説明。ACTスコア15点。初回+14日 TF実施。8項目全て正しく実施。ACTスコア15点。初回+19日 動画を視聴。8項目全て正しく実施。吸入手技を説明。ACTスコア15点。初回+39日 TF実施。8項目全て正しく実施。ACTスコア13点。初回+69日 TF実施。8項目全て正しく実施。ACTスコア17点。チェックリストとACTスコアは毎回医師へフィードバックした。【考察】今回指導を受けた患者は少数なので有効性については追加検証が必要である。上記の症例については、ACTスコアが20点以下とコントロール状況は芳しくなったが、患者より「動画をみて正しい手技を確認できた。」「動画視聴ではQRコードを活用した。」という声を頂いた。タブレット端末を利用した指導が従業員の感染リスクを低減し、かつ患者が正しい吸入手技を継続的に実施できる方法の一つである可能性を示唆していると思われる。