第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-061-A] 調剤薬局における漢方薬の使用に対する臨床医と薬剤師の意識の乖離調査と今後の課題

清水 俊行1, 望月 一司2 (1.(株)アイセイ薬局玉穂店, 2.(株)アイセイ薬局首都圏西支店)

【目的】
中医学的見地における漢方の使用において、保険適応外使用が頻繁に行われている。
今回漢方医から相談もあった為、薬局薬剤師が処方意図と異なる保険適応での説明をしている実態が多いのではないかと考えた。
薬局薬剤師が漢方医の中医学的見地の処方意図をどこまで理解し、或いはどこまで乖離しているのか、漢方に対する意識調査も含め、実態を把握する為アンケート調査を実施した。
【方法】
相談のあった漢方医が実際に使う処方かつ一般的に処方頻度の多い六君子湯を選択し、答えやすい様症例を1例とした。六君子湯は保険適応では 胃炎・消化不良などに使用されるが、漢方医の間ではアレルギー性鼻炎の治療に用いられる事が多い。アンケート対象者はアイセイ薬局西支店の全薬剤師とし実施(n数=136)した。
設問内容は、薬剤師経験年数からの認知、意識意欲などに差も出るのかを加味する為、以下の4項目とした。
1.薬剤師経験年数2.漢方に対しての得意・不得意の意識3.向き合う姿勢の評価として漢方が好きか否か4.症例提示から自身が取り得る服薬指導
【結果】
136例中125例回答(83%)があった。六君子湯の補気剤としての意味を理解している回答=アレルギー性鼻炎の根本から改善する選択は4.9%、他の残りの回答は中医学的見地ではない項目といえ、95.1%となった。内訳は大半が漢方医、或いは患者から今回の設問の六君子湯の処方意図を探る回答を選んでおり(84%)、薬剤師経験年数(10年以上)の割合と比べても、中医学的見地からの六君子湯の補気剤としての理解ある回答割合が同じではない事から、経験年数との相関は無さそうであった。
【考察】
六君子湯に限らず、使用する漢方医の見解は保険の収載と異なっている事はまま存在する。漢方医と一緒に行う勉強会など機会があれば保険収載以外の作用も理解はでき、幅広い対応もできるといえるだろう。