第16回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-062-B] 外来がん化学療法患者に対する服薬指導の質向上を目的とした保険薬局の取り組み

和田 憲周1,2, 林 智子1, 山本 侑記1, 田中 亜優実1, 藤井 美和子2 (1.一般社団法人 泉州メディカ 協和薬局, 2.一般社団法人 泉州メディカ 本部事務局)

【目的】近年の癌薬物治療は外来化が進み、保険薬局では薬剤交付時の服薬指導だけでなく、服用期間中も継続した薬学管理が求められ、高度な知識をもった保険薬局薬剤師の養成と保険薬局における高度薬学管理機能が不可欠である。本発表では、当薬局で行った勉強会を通じて外来がん化学療法患者への服薬指導の質向上の取り組みについて報告する。
【方法】2020年4月から、2ヶ月に1回のペースで薬局内勉強会を実施。外来がん治療認定薬剤師が講師を担当し、当薬局薬剤師全員を対象に各癌種のガイドラインを用いて薬物治療やレジメン、副作用対策について勉強会を実施した。加えて、抗癌薬服薬指導のロールプレイを行うことで、服薬指導内容の充実化を目指した。なお、勉強会の評価指標として、トレーシングレポートを用いた医療機関への情報提供の内容分析を行なった。
【結果】各癌種のガイドライン勉強会を実施し、薬局薬剤師の抗癌薬への服薬指導の質が向上した結果として、2020年4月1日から2022年3月31日の期間に癌に関わる症例で電話により患者から聞き取った内容についてトレーシングレポートを用いて137件の情報提供を医療機関へ行なった。その内介入により医療機関への処方提案を行った症例は35件、また提案が反映された症例は20件であった。
【考察】各癌種の勉強会だけでなく、服薬指導のロールプレイを実施することで客観的に服薬指導の評価を得ることが可能となった。薬局内勉強会を通して知識を深めた結果、患者毎にそれぞれ異なるアプローチでのフォローアップを心掛けることで、適切な介入を行うに足る知識を習得でき、2020年度以前は0件であったトレーシングレポートによる医療機関への情報提供と症例への介入件数は大きく増加している。服用期間中の切れ目ないフォローアップを行うことは薬局薬剤師の責務であり、エビデンスに基づいた介入を行う為にも服薬指導の質向上を行うことは必須である。