第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2022年11月6日(日) 15:10 〜 16:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-078-C] 計数調剤管理システム導入による過誤の推移調査

板谷 将雄, 重山 宗太, 金内 正貴, 板井 麻衣, 桐原 清敏, 渡辺 卓巳 ((株)エヌ・エム・アイ)

【目的】昨今、様々な薬局が調剤過誤対策を実践しているが、私たちはその中でも機械による調剤支援システムについて着目した。我々は計数調剤管理システムF-waveの導入によってどのような過誤が減少したのか解析、考察した。【方法】NMI薬局で発生した調剤過誤のうちF-waveを導入している7店舗の前後2年間で報告された過誤報告書のデータを集計する。集計方法は誤薬、規格違い、数の過不足、ジェネリック関連に分類し集計した。【結果】全219事例のうち103例がF-wave導入前、116例がF-wave導入後であった。分類別に集計するとF-wave導入前では誤薬は23例(22%)、規格違いは27例(26%)、数の過不足は35例(34%)、ジェネリック関連は18例(17%)であった。F-wave導入後では誤薬は10例(8%)、規格違いは17例(15%)、数の過不足は67例(58%)、ジェネリック関連は22例(19%)であった。以上より導入前、導入後では最も過誤件数が減少したのは誤薬の-13例、次に規格違いが-10例、増加したのはジェネリック関連+4例、数の過不足で+32例という結果を得られた。【考察】本結果では誤薬、規格違いが減少していた、これはF-waveの薬品バーコードの照合機能により調剤者の思い違いによる医薬品の取り間違いを防げたためだと考える。ジェネリック関連についても薬品バーコードの照合機能により減少するものと考えていたが、患者の希望、メーカーの選択など変更可能な部分が多いため人為的なミスが生じると考えた。増加した数の過不足ではF-waveによるバーコードの読み込み時に数量が表示されるだけで監査者の目視による確認のため監査をすり抜けてしまうと考える。以上よりバーコード照合機能による正確な医薬品の調剤ができる半面システムをすり抜けてしまう人為的なミスが見られたため計数調剤監査システムによって防げない過誤の特徴が判明した。今後は人為的ミスを減らす工夫が必要であると考える。