第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-088-A] 月経前症候群・月経前不快気分障害患者の月経に随伴する症状に関する生活習慣改善支援の取り組み

山崎 美佳1, 岡本 一平2 (1.総合メディカル(株) そうごう薬局 島根大学前店, 2.総合メディカル(株))

【目的】月経前症候群・月経前不快気分障害(以下、PMS/PMDD)の患者において、不眠や便秘などの月経に随伴する症状に悩む方は多い。その症状の緩和に運動や食生活などの生活習慣の改善が有用であることが知られている。しかし当該患者に正しく周知されていないことから、当薬局では服薬状況だけでなく、身体症状や生活習慣の状況を把握し指導する試みを行っている。そこで、本取り組みによる対象患者の症状・生活習慣の経過について調査したので報告する。
【方法】2020年3月から2021年4月に当薬局に来局した患者で、PMS/PMDDの診断でホルモン治療を継続している患者26名を対象に、ガイドラインのPMS/PMDDの診断基準をもとに作成した調査票を用いて、月経に随伴する身体症状や精神症状、またその症状に関わる生活習慣の問題点を把握し、生活指導を実施。身体症状や生活習慣の状況を把握するための日誌をお渡ししてその変化を調査した。
【結果】期間中、継続支援した患者は26名(平均26歳(17歳~43歳))、生活習慣がPMS/PMDDに影響があることを知っていたのは、そのうち10名であった。半年経過してからの生活習慣の変化については、24名について食事・運動・睡眠など何らかの改善が見られた。また、身体症状については胃もたれ・下痢が、精神症状では不安・憂鬱の項目について、「非常にある」と回答した患者がそれぞれ6から1名、3から1名に減少した。2名についてはNSAIDsの使用頻度やホルモン治療薬の減量が見られた。
【考察】PMS/PMDD患者の月経に随伴する身体・精神症状については、生活習慣との関係性を多くの患者が知らなかった。しかし薬局の生活習慣改善指導により、殆どの患者おいて改善が見られたことから、薬局で生活習慣との関わりを周知することと継続支援を行うことの有用性が示唆された。