第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 6, 2022 1:10 PM - 2:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-097-A] 佐賀県診療情報地域連携システムを活用した直腸癌患者の術後補助化学療法における薬薬連携の一例

吉田 貴大1, 辻 真利3, 山田 裕介1, 笹野 寿基2, 安川 徹2, 中山 絵梨奈1, 辻 宗一郎1 (1.タイヘイ薬局メディカルモールしろいし店, 2.タイヘイ薬局メディカルモールおぎ店, 3.タイヘイ薬局小城店)

【はじめに】2019年12月に改正・公布された薬剤師法並びに薬機法において薬剤交付後のフォローアップの義務化が明記された。地域で治療を行うがん患者において、抗がん剤の副作用の発見や服薬管理の点からがん患者のフォローアップは特に重要であると考えられる。本発表では、佐賀県診療情報地域連携システム(以下、ピカピカリンク)を活用した薬薬連携により、直腸癌の術後補助化学療法を完遂した症例について報告する。【症例概要】患者は80歳代女性、直腸癌Stage3B(cT4a(SE),cN1b,cM0)。直腸癌術後、カペシタビンによる術後補助化学療法開始。ピカピカリンクにより、医療機関の診療情報を確認し、保険薬局が実施する患者のフォローアップ情報を医療機関と共有しつつ半年間の術後補助化学療法を実施した。介入の結果、カペシタビン単独療法(1回1800mg1日2回2週間連続投与後1週間休薬)を開始し、手足症候群(grade2)による休薬を1度経験したが、初回投与量から減量なく計8サイクルを完遂した。半年間でフォローアップを行った回数は16回。保険薬局から医療機関に対する処方提案により、処方変更が行われた回数は4回。【考察】今回の症例でピカピカリンクが有用であった点として、がん患者の診療情報が経時的に確認できたことと、薬局の行うフォローアップで確認した手足症候群の発現状況を撮影し、ピカピカリンクを通じて手足の画像をアップロードすることで、医療機関により具体的な情報提供ができたことが挙げられる。また、フォローアップで得られた内容をピカピカリンクでアップロードした際は、医療機関の薬剤部を通じて医療機関内のカルテで内容が共有されており、主治医がフォローアップの内容を把握しているためスムーズな処方提案に繋げることができたと考えられる。