[P-099-C] 経口抗凝固薬(DOAC)の適正に使用するための取り組みについて
【はじめに】経口抗凝固薬(DOAC)はワーファリン®に代わって広く使われるようになってきたが、出血リスクを持つハイリスク薬剤であるため、使用の際には相互作用薬剤の有無、体重、腎機能などの確認が重要である。しかし過去、確認不足で過量投与を起こしたことがあるため、今回我々は「相互作用薬剤の有無」、「体重」の確認を忘れず履行する方法を作成し、1月から6月末まで取り組んで評価した。【取り組みの概要】2022年1月より電子薬歴の相互作用マスターにて、併用に注意が必要な薬剤を『併用禁忌』として登録し、患者情報シートで表示内容が確認できるようにした。体重の確認については、患者に『体重確認の協力のお願い』を作成し、これを用いて体重が60kg以上かどうかを確認できるようにした。【結果】リクシアナ®60mgを服用中の患者でワソラン®やベラパミル®が投与されることは期間内に6件あり、そのうち5件はリクシアナ®に減量が無い処方であった。5件全てで疑義照会を行うことが出来、何れも30mgへ減量となった。また、体重確認は同期間内に服用開始となった66名について行い、うち2名が60kg以下に該当し、疑義照会により何れも30mgへ減量となった。プラザキサ®を服用中の患者でワソラン®やベラパミル®が投与されることは同期間内に2件あり、2件共に服用に時間差を設ける注意を伝えていたことを確認した。エリキュース®5mgを服用中の80歳以上の患者ついては、同期間内に35名いたが、うち2名が60kg以下に該当し、疑義照会により何れも30mgへの減量となった。【考察】1月から6月末までで、体重や相互作用の問題で確認が必要であったのは9件あり、その全てで疑義照会を行うことが出来、減量に至った。また同時に、過去の見落としも2件発覚した。以上より、DOACの適正使用のために薬剤師による「相互作用薬剤の有無」、「体重」が重要であること、また見落とし防止のために今回の取り組みは有効であったと考える。