[P-111-C] 腎機能に基づく処方鑑査を迅速にさせるセミナーの有用性について
【目的】これまでの研究で、薬局薬剤師に対して腎機能に基づいた処方鑑査を困難にする要因として、添付文書の記述を基に腎機能推算式を用いた腎機能の判断が、迅速に対応ができていない等の課題を明らかにした。今回、処方鑑査の充実を目指した支援体制の整備およびセミナーを実施し、その有用性を検討することにした。
【方法】当社の34店舗の薬局を対象に、2022年1月に愛知学院大学薬学部臨床薬学講座よりWebセミナーを行った。また、腎機能低下時に注意が必要な薬剤が処方された場合に、薬歴上にフラグが表示されるよう設定した。薬局に保管されている処方箋、調剤録をもとに、セミナー実施前(2021年10月~12月)およびセミナー実施後(2022年2月~4月)における薬学的疑義照会の件数と内容、腎機能に基づいた疑義照会の件数と内容、疑義照会の受諾率について調査した。
【結果】セミナー実施前後における疑義照会は、前2018件、後2230件であった。内容の比較では、「用法・用量に関する疑義照会」が、前25.4%(512件)から後34.5%(770件)へ増加した。そのうち、「内服薬の用法に関する疑義照会」は、前335件から後520件へ、「用量に関する疑義照会」は、前151件から後212件へ増加した。腎機能に基づいた疑義照会は、前6件、後2件であり、増加は認めなかった。対象薬剤は、NSAIDs3件、抗菌薬2件、抗ウイルス薬1件、抗凝固薬1件、ベザフィブラート1件であった。
【考察】腎機能に基づいた疑義照会の実施は、セミナー前後ともにわずかであった。セミナー後において、体重に基づいた疑義が増加していたことから、聴取に基づいた処方鑑査が積極的に行われたと推察される。本セミナーの実施が、薬局薬剤師の処方鑑査に関する意識改革に繋がる可能性が示唆された。
【方法】当社の34店舗の薬局を対象に、2022年1月に愛知学院大学薬学部臨床薬学講座よりWebセミナーを行った。また、腎機能低下時に注意が必要な薬剤が処方された場合に、薬歴上にフラグが表示されるよう設定した。薬局に保管されている処方箋、調剤録をもとに、セミナー実施前(2021年10月~12月)およびセミナー実施後(2022年2月~4月)における薬学的疑義照会の件数と内容、腎機能に基づいた疑義照会の件数と内容、疑義照会の受諾率について調査した。
【結果】セミナー実施前後における疑義照会は、前2018件、後2230件であった。内容の比較では、「用法・用量に関する疑義照会」が、前25.4%(512件)から後34.5%(770件)へ増加した。そのうち、「内服薬の用法に関する疑義照会」は、前335件から後520件へ、「用量に関する疑義照会」は、前151件から後212件へ増加した。腎機能に基づいた疑義照会は、前6件、後2件であり、増加は認めなかった。対象薬剤は、NSAIDs3件、抗菌薬2件、抗ウイルス薬1件、抗凝固薬1件、ベザフィブラート1件であった。
【考察】腎機能に基づいた疑義照会の実施は、セミナー前後ともにわずかであった。セミナー後において、体重に基づいた疑義が増加していたことから、聴取に基づいた処方鑑査が積極的に行われたと推察される。本セミナーの実施が、薬局薬剤師の処方鑑査に関する意識改革に繋がる可能性が示唆された。