第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-122-B] 医療機関との情報共有により薬物治療に貢献できた症例

稲垣 真弓 ((株)メディカル一光)

【目的】これからの薬剤師のあるべき姿として他の職種や医療機関と連携し、患者に対して一元的・継続的な薬物治療を提供することが重要であり、そのような取り組みを通じて、ポリファーマシーや重複投薬、相互作用の防止、残薬解消を含む適切な薬学的管理を行っていく必要があると厚生労働省は伝えている。そのためには医療機関との情報共有は必須であり、今まで以上に強化して取り組んだことで患者の薬物治療に関与できた症例を報告する。【症例】80代女性、内科と整形外科に受診していたが薬剤数が多く、薬を減らせないかとの相談があった。双方の医療機関にその旨を情報共有し相互作用の観点から減薬の提案と複数の胃薬の処方見直しの提案を行ったところ、内科からは3種類の薬剤中止に至ったが、整形外科は変更なしのままであった。しばらくして肩の痛みがひどくなり総合病院に受診したところ、腱板断裂と診断され手術しないと治らないとのことだったが、手術や入院による様々なリスクを懸念され本人は手術を希望しなかった。総合病院からの処方はなく、その後以前と同じ整形外科を受診されたが処方に変更はなかった。しかし、痛くてコップを持つことすら困難との訴えがあり現在服用されている薬剤では効果が出ていないのではないかと考え、医師に患者の痛みの訴えを伝え、現在服用中の薬剤とは別の機序であるNSAIDsや非オピオイド系製剤を提案した。提案後、医師から患者に連絡があり、NSAIDsが処方されたことで痛みの軽減に至り、更に効果がないのではないかと思われた薬剤は減量後中止に至った。【考察】今回の症例により患者の訴えに向き合って積極的に医療機関と情報共有を行い処方提案することで患者の減薬希望や体調改善に寄与したことを確認できた。今後もより良い薬物治療に貢献できるよう医療機関との情報共有になお一層力を入れていきたい。