第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-123-C] プロトコールに基づく医療用麻薬使用患者の疼痛治療管理における病院と保険薬局との連携

小林 修輔1, 松田 枝里1, 市原 絢子1, 徳永 愛美2,4, 日向 美羽2,4, 縄田 修一3,4, 村田 勇人1 (1.クオール(株) クオール薬局港北店, 2.昭和大学横浜市北部病院 薬剤部, 3.昭和大学病院 薬剤部, 4.昭和大学 薬学部 病院薬剤学講座)

【目的】医療用麻薬は緩和ケアにおいて重要な役割を担っており、昨今の医薬分業の流れから院内での使用のみならず、院外処方せんによる薬局での取り扱いも増加してきている。しかし病院と薬局との連携については未だ十分な段階には達していないのが現状である。クオール薬局港北店では昭和大学横浜市北部病院と合意したプロトコールによって、医療用麻薬を使用されている患者の服薬情報を病院と共有している。今回、薬局からの情報提供内容を分析することで、情報提供が病院と薬局との連携に与えた影響を調査する。
【方法】2020年10月から2022年5月までの期間において、薬局から病院へと提供したトレーシングレポートを参照し、医療用麻薬の増量につながった件数、副作用に対する支持療法を提案した件数、患者に生活上のアドバイスをした件数、疼痛・副作用のグレード評価のみを報告した件数を調査した。尚、本研究は昭和大学横浜市北部病院臨床試験審査委員会の承認を得て行った。
【結果】調査期間内における対象患者は20名であり、トレーシングレポートによる情報提供件数は92件であった。このうち情報提供によって医療用麻薬の増量につながった件数は7件、支持療法の提案を行った件数は4件、生活上のアドバイスをした件数が10件、疼痛・副作用の評価のみを報告した件数が71件であった。
【考察】薬局から情報提供を行った件数のおよそ12%において、患者の治療方針に影響を与えたと思われる事例が見受けられたことから、薬局からの情報提供が病院と薬局との連携を深めることに寄与していると考えられる。また患者からの問い合わせを病院へ情報提供した結果、予約外受診に繋がった事例も見受けられ、継続的に病院との連携を深めておくことは相互に円滑な対応を行ううえで重要であると考えられる。今後このような取り組みが広がっていくことで、病院と薬局でのよりシームレスな連携が期待できるのではないかと思われる。