第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-133-A] 病薬連携による院外処方での無菌調剤開始の一例
-地域連携薬局の取得を目指して-

森田 京子1, 加藤 貴美1, 中村 亨2 (1.(株)ココカラファインヘルスケア ココカラファイン薬局八事日赤前店, 2.(株)ココカラファインヘルスケア 調剤事業本部)

【目的】2021年8月より新しい機能別薬局として「地域連携薬局」の認定が開始となった。医療機関や地域の薬局との連携を十分に行うことで、薬物療法の一元的・継続的な対応が期待されている。当薬局は日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の門前であり、無菌調剤室、検体測定室等が整備されている。今回、病薬連携により無菌調剤の院外処方を開始するに至った一例について報告する。
【事例】2021年4月に病院薬剤部から無菌調剤の院外処方の打診をうけ、無菌調剤室整備、薬品・備品整備など無菌調剤の開始準備を行った。併せて病院薬剤師より患者背景、処方内容、調製方法、病院内規についての指導を受けた。処方医・病院薬剤師・患者・当薬局薬剤師での4者打合せを経て、診察から在宅指導までのスケジュール調整を行い、2021年9月に週1回処方・無菌調剤を開始した。
【結果】2021年9月の院外処方開始当初は、患者は週1回の来院を継続していたが、無菌調剤後の在宅訪問開始により、患者自身による重たい輸液の運搬の負担が軽減された。2022年3月の入退院後、処方内容の変更があり、変更後の調製方法について処方医・病院薬剤師と打合せを実施した。体調が安定してきたため、2022年5月から当薬局提案により処方日数を2週間に変更するとともに、分割調剤にて、週1回の無菌調剤と在宅訪問指導を継続した。これにより来院回数が削減され、患者負担軽減された。
【考察】院外処方による無菌調剤を行った今回の事例では、患者負担の大幅な軽減に加え、処方医や病院薬剤師との連携体制を構築することができた。無菌製剤処理が必要な薬剤を必要とする在宅患者は今後も増えてくると想定される。無菌調剤の開始で、より幅広い層の患者に対し、個々のニーズに合わせた対応が可能となる。このことは地域連携薬局に求められていることであり、その役割を果たすことが肝要であると考える。