第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Sun. Nov 6, 2022 3:10 PM - 4:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-171-C] 保険薬局に勤務する管理栄養士が癌患者を支援した事例紹介

清岡 雛子1, 田中 沙苗1, 田島 彰人2 (1.クラフト(株) さくら薬局グループ, 2.さくら薬局本店)

【背景・目的】2020年度の診療報酬改定に伴い、病院管理栄養士の癌患者に対する継続的な支援が見直され、個々の副作用に応じた栄養管理が必要となった。癌患者の体調は日々変化するが、通院患者の場合は次回来院時まで自己管理となる。通院時でもこまめな継続支援ができるよう、薬局でも栄養相談を開始した。さくら薬局に勤務する管理栄養士が栄養相談を実施した事例について報告する。
【方法】薬局内で作成した事前質問シートや副作用による体調不良確認用紙を用いて聞き取りを実施後、薬局管理栄養士が個別に相談応需し、患者の副作用発現に応じて食せるよう食事提案やレシピ提供を行った。
【症例の概要】(事例 1)臭覚による副作用が出現した悪性リンパ腫患者。においによる食欲不振のため、においが立たないレンジ調理法や調理後小分けに冷凍保管する方法を提案、食せる豆腐を使用したレシピ提供で、患者からは「こんなにしてもらえたのは初めてで頑張れそう」と言葉を頂き、2 回目来局時には食事摂取に前向きさが伺え、食事と向き合う支援ができた。(事例 2)寝たきり状態の胆管癌患者。食事摂取状況より、見た目から食べたくなる盛付け方法や分割食の提案を行った甲斐あり、徐々に体力が回復し活動的な姿が伺えた。しかし、新型コロナウイルスの影響で治療が延期となり介入ができない期間があり、体調が悪化した。いずれの事例も相談内容を薬局薬剤師へ共有した。
【結果・考察】癌患者への食事支援はその都度、細かな聞き取りが重要となる。食せない時に薬局管理栄養士が即時に状況把握と食事提案をすることで、栄養確保へ一翼を担うことができる。また癌は進行が速い分、環境に応じて積極的かつ継続的に対応することで体力回復に繋げることができる。今後も薬局薬剤師と連携し、治療方針を理解した上で栄養相談を実施し、その結果を医療機関へ報告することで食事面から癌患者の生きがいに寄与して行きたい。