第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-172-A] 非薬剤師による薬剤師補助業務の標準化に向けた取り組み

西城 みゆ希1, 山本 季美江2, 荒木 幸子3, 角野 友子4, 島 可奈5 (1.フロンティア薬局広瀬店, 2.同 鶴ヶ岱店, 3.同 富大前店, 4.同 和歌山日赤前店, 5.同 宇和島店)

【目的】2019年4月2日に厚生労働省より通知された薬生総発0402第1号をうけ、非薬剤師(事務員)が薬剤師のパートナー(PA)として行うことができる業務をPA業務と呼ぶこととし、事務員への業務移行を行ってきた。PA業務を進める中で、業務の標準化のために「医療事務員業務チェックリスト」(チェックリスト)を作成、2021年7月から運用し、2021年12月に運用効果を確かめるために理解度テストを実施したのでその結果を報告する。
【方法】チェックリストを基に理解度テストを作成し、2021年6月時点で1年以上在籍している事務員を対象にWEB上で実施した。テストは大塚商会のEasy Learning Express®を使用し、50問の正誤問題で回答時間は30分、合格点数は設定せず、2021年12月1日から25日までの期間実施した。試験内容は、チェックリストに沿って社内ルール、受付業務、精算、医療保険・調剤報酬、レセコン入力、レセプト、PA在庫管理、PA業務について実施した。
【結果】受講者は対象者394名に対し394名(100%)であった。全体平均点は50点満点中40点で、平均点以上の割合は、394名中235名(59.6%)になった。医療保険・調剤報酬に関する項目は正答率が低く63.5%、レセコン入力に関する項目は正答率が高く93.0%であった。
【考察】全体平均点が高いことから、医療事務員業務チェックリストの運用は一定の効果をもたらしたと考える。これは、現場で従事する事務員がチェックリストを作成する事で、実務に沿った業務の確認、復習ができるチェックリストとなっていた事が一因と考えられる。しかし、医療保険・調剤報酬に関する項目の正答率が低く、その原因はレセコンによる調剤報酬の自動計算に依存しており、2年毎の調剤報酬改定に関する知識・理解不足と考えられる。今回の結果を基に、医療保険・調剤報酬についてはチェックリストの見直しを重点的に行い、PA業務の標準化を目指し、薬局の質向上のために貢献したいと考えている。