第16回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 6, 2022 2:10 PM - 3:00 PM ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-182-B] 臨床検査値の活用に関する薬剤師の理解度調査

岩田 歩実1, 磯部 美穂2, 高橋 彩花3, 伊藤 歌那1, 高廣 誠司4 (1.総合メディカル・ファーマシー中部(株)ハロー薬局 忠次店, 2.原店, 3.うえだ店, 4.総合メディカル・ファーマシー中部(株))

【目的】近年、多くの病院で検査値印字の処方箋を発行している。薬局も病態把握、副作用の早期発見などのために、検査値の活用方法を理解する必要がある。そこで、各検査値の薬剤師の理解度を調査し、今後の研修課題について検討したので報告する。
【方法】2022年3月、当社薬局に勤務する薬剤師139名に対して、54項目の検査値に関する学習資料を共有し、それぞれの理解度をアンケート調査した。理解度は、1知らなかった、2名前だけ知っていた、3関連する疾患は分かるが基準値は知らなかった、4基準値も概ね知っていた、5全て知っていたの5段階で評価してもらい、1・2は検査値表を見て患者説明出来ない群、3・4・5は患者説明できる群として集計を行った。その他、薬剤師背景として、実務経験年数、主応需先医療機関で経験した診療科目を調査し、理解度との関連も検討した。
【結果】アンケート回答率は71%(98名)。薬剤師経験年数は4年未満36名、4~10年未満30名、10年以上32名であった。検査値54項目のうち、70%以上の薬剤師が1・2を選択し、患者説明出来ないとした項目はDダイマーや腫瘍マーカー、MMP-3など8項目であり、病院でも検査機会の少ない項目であった。一方、70%以上が3・4・5を選択し、患者説明できるとしたのは28項目で、多くは処方箋に検査値印字される一般的項目であった。いずれの項目も薬剤師経験年数との関連は見られなかった。理解度が2極化していたMCV、好中球数など5項目のうち、YAM値については、整形外科を応需した経験の有無と理解度との関連性をクロス集計し、カイ二乗検定で確認したところP=0.06となった。
【考察】今回の調査により、検査値の理解度は項目により差があり、薬局で実際に対応する機会により異なることが示唆された。このことから、特に検査機会の少ない項目、主応需先診療科によって対応機会の少ない項目は、理解度の差を補填するための研修が必要であると考察した。