第16回日本薬局学会学術総会

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シンポジウム

シンポジウム4
「薬機法改正に伴う薬局・薬剤師の役割(位置づけ)の変化」

Sat. Nov 5, 2022 2:40 PM - 4:40 PM 第2会場 (5階 国際会議室501)

座長(オーガナイザー):永冨 将寛 ((株)トータル・メディカルサービス 代表取締役専務/(株)永冨調剤薬局 専務取締役), 冨松 理沙 ((株)さかきばら薬局 取締役)

[SY4-1] 薬機法改正後のガバナンス

赤羽根 秀宜 (中外合同法律事務所 薬事・ヘルスケア・医療グループ代表)

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 令和元年に薬機法改正がされました。改正の内容は、服用期間中のフォローアップの義務化、オンライン服薬指導の導入、認定薬局の新設、ガバナンスの強化等多岐にわたり、ほぼ施行もされています。
ご存じのとおり、この改正は、薬局に対して厳しい意見もある中での改正でした。その中でも、これまでの薬局の不祥事も踏まえてガバナンスの強化が求められています。各薬局でも改正を踏まえた体制の整備を行っていることと思われます。
 薬機法では、「薬局開設者は、薬局の管理に関する業務その他の薬局開設者の業務を適正に遂行することにより、薬事に関する法令の規定の遵守を確保するために、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。」(薬機法9条の2)とされ、薬局の管理者の権限を明らかにすること、法令に適合することを確保するための体制や責任役員及び従業者の業務の監督に係る体制等の整備、法令遵守のための指針を示すこと等が薬局開設者の責務となりました。このガバナンスの強化が施行され1年以上が経過したところですが、処方箋医薬品の不正販売や調剤報酬の不正請求について、改正後に明らかになったものもあります(改正前に行為があったものも含みます)。また、このガバナンスの強化は、不祥事を受けて定められたものですが、薬局においては、医療安全の管理体制も法令上求められており、医療安全の観点からも法令遵守は重要となります。最近、誤った処方であったにも関わらず、薬剤師が適切に疑義照会を行わず、薬剤師が損害賠償を請求された、書類送検(検察官送致)されたという報道もされています。
 このような事案も含めた過去の具体的な事案を参考にして、薬機法改正後の薬局のガバナンスにおいて具体的にどのような運用が求められるのかを検討します。