第16回日本薬局学会学術総会

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シンポジウム

シンポジウム5
「ICTを活用した地域医療連携変革への挑戦」

Sun. Nov 6, 2022 9:00 AM - 10:30 AM 第1会場 (3階 メインホール)

座長(オーガナイザー):樫尾 浩幸 (クオールホールディングス(株) DX・AI推進室 室長/クオール(株) 取締役)

[SY5-1] 医療分野における国家戦略特区制度の活用

小山内 司 (内閣府 地方創生推進事務局 参事官)

 人口減少や高齢化といった人口構造の変化、地方の過疎化や東京圏への集中といった人口の地域偏在などが進行する中で、社会や経済をめぐっては様々な問題が顕在化している。こうした問題を解決していく上では、公的セクターによる財政支援のみならず、民間セクターによる積極果敢な取組が非常に重要と考える。
 現状のままでは問題が解決しない、だから新しいことを始めなければいけない、そうした気付きや意識から積極果敢な取組は生まれる。新しいことを始めようと思い立った方は、誰もがそのプレイヤーになることができる。医療分野、とりわけ薬事については、薬局開設者や薬剤師のみなさんがまさにそのプレイヤーである。
 積極果敢な取組に取りかかろうとするとき、法律を始めとする規制が障壁となるケースがある。規制の中には、かなり昔に設けられたもので今日的に存在意義が薄れているものや、デジタル技術の活用などで効率化できるものなど、見直しの余地を抱えるものが少なからず存在する。取組のプレイヤーとなるみなさんの声を受け止めて、こうした規制を変え、問題解決につなげていくお手伝いをするのが特区制度である。
 特区制度には、構造改革特区制度、総合特区制度、国家戦略特区制度の3つがあるが、その違いがわかりにくいというご意見をいただくことがある。また、薬剤師の自宅からのオンライン服薬指導などを実現させた規制改革との違いも、わかりにくいかもしれない。
 今回の講演では、こうした特区制度にまつわるモヤモヤがスッキリするお話をさせていただく。そして、身近なところでイメージが持てるよう、医療分野における特区の事例についても紹介する。現状において問題を抱えている、或いは近い将来必ず問題が発生する、だからその対処策を考えなければいけない。今回の講演が、そうした思いをお持ちの薬局開設者、薬剤師のみなさんの積極果敢な取組を実現する一助になれば幸いである。