第16回日本薬局学会学術総会

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シンポジウム

シンポジウム5
「ICTを活用した地域医療連携変革への挑戦」

Sun. Nov 6, 2022 9:00 AM - 10:30 AM 第1会場 (3階 メインホール)

座長(オーガナイザー):樫尾 浩幸 (クオールホールディングス(株) DX・AI推進室 室長/クオール(株) 取締役)

[SY5-3] 薬局における健康イベントのICT化の実例

山﨑 正人 (クオールホールディングス(株) DX・AI推進室 統括主任)

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 2015年、厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン ~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域へ」~」にて、今後のあるべき薬局の姿が示された。その中で、果たすべき役割のひとつとして、国民の病気の予防や健康サポートに貢献する「健康サポート機能」がある。つまり、国は薬局に対して、地域包括ケアシステムを構成する医療人として、健康イベント等の開催を通じ、地域住民の健康相談コミュニティ機能を発揮することを求めている。また、薬局ビジョンの中では、ICT化についても言及され、2022年4月の診療報酬改定ではオンライン服薬指導の評価の見直し、リフィル処方箋の導入、オンライン資格確認における「電子的保健医療情報活用加算(3点)」の評価が新設された。また2023年1月には電子処方箋が始まるなどICT化にとどまらない薬局DXがますます重要となっている。
一方、2020年から新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外出を自粛することが要因となり、運動不足や食生活の乱れから筋力の低下だけでなく心身に不調をきたすことが懸念されている。国民はコロナ禍における新たな様式での健康作りが必要となり、薬局も新しい様式での健康サポートイベント開催の手法について模索が必要となった。東京都練馬区にあるクオール薬局光が丘店では、2017年より住民向け健康イベントを計10回実施し、参加者からは良好な評価を得てきた。しかし、コロナ感染拡大防止の観点から2020年3月から2021年7月まで開催できていない。そこで、オンライン、オフラインを組み合わせたハイブリッド型で健康イベントを実施することとし、健康イベントの新たな様式を模索した。
オンラインには移動の負担がなく、感染のリスクが少ない、オフラインでは、地域コミュニティとしての効果もある、ネットリテラシーに左右されず参加可能、とそれぞれのメリットがある。そこで、オンラインとオフラインの双方のメリットが享受可能となるハイブリッド型健康イベントを企画し実施した。
今回2021年8月に光が丘店でハイブリッド型の健康イベントを実施した。また、同年12月、2022年3月では他店舗同時開催として光が丘店の健康イベントの様子をクオール薬局調布店、QOLサポートクオール薬局京王八王子店にネットで中継することで、それぞれの地域住民がオンラインとオフラインのどちらでも参加できる形式で実施した。
本シンポジウムでは、薬局DXのあり方の一つとして、ICTを活用とした健康イベントの取り組みに関して上記の事例を用いて紹介し、ニューノーマル時代の薬局の地域健康サポート機能について、本セッション参加の皆様と議論を深めたい。