[SY7-1] 認知症研修認定薬剤師の地域における役割、および専門性の活用
地域包括ケアシステムの推進がうたわれ、薬局や薬剤師に専門性発揮が期待される中で、認知症研修認定薬剤師として、地域においてどのような役割を担えるか模索してきた。
2017年、認知症研修認定薬剤師制度による研修にて「認知症カフェ」の存在を知り、訪問した地域の「認知症カフェ」で、認知症介護者家族会(以下、家族会)会長から「薬に対して不安や疑問を持つ介護者が多くいる」と家族会への参加を要望された。家族会とは、認知症介護者が悩みや心の内を話し合い、情報交換する場である。2015年の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」策定に伴い、認知症の人と介護者を地域社会全体で支援する目的で各自治体が運営推進を図っている。家族会では、多くの介護者から、認知症の家族の服用薬について(効果に対する疑問、副作用への不安)、飲み忘れや残薬発生時の対処法、更には「認知症の薬は効果がなくても飲み続ける必要があるのか」など、様々な相談や質問があがった。これらの背景には、認知症の人・介護者と医療者との相互理解不足の存在が推測された。介護者は認知症に戸惑うも、われわれ医療者への相談や質問を躊躇する状況があり得ると認識した。支援は、COVID-19による集会場閉鎖まで3年半にわたり、以降は、この家族会で連携した地域包括支援センターと共に「多職種による家族会」を開催、医療・介護・福祉の連携により多面的な認知症地域支援を実施している。本講演では、家族会に係る事例として、受診拒否を示し、エチゾラム過量服用により依存状態に陥ったアルツハイマー型認知症の人のBPSDと夜間せん妄に悩む介護者に対し、行った支援について紹介する。
薬局業務では、認知症専門知識に基づく処方提案および情報提供を積極的に行ってきた。高齢化に伴い、認知症対応が迫られる地域のかかりつけ医からは、治療に関する相談を受けることも多い。本講演では、レビー小体型認知症が疑われる人を治療につなぎ、その後処方提案により病態改善を図り、更なる医師との連携により適切な介護サービスに結びつけた事例も紹介する。
認知症研修認定薬剤師が、専門性発揮により認知症の人・介護者との信頼関係と医師との綿密な連携を構築し、その実現のうえで両者をつなぐ橋渡し役を薬剤師が担えば、両者間の相互理解は深まると考えられる。認知症の人が、適切な治療やケアを得るための、極めて重要な役割であることをお伝えしたい。
2017年、認知症研修認定薬剤師制度による研修にて「認知症カフェ」の存在を知り、訪問した地域の「認知症カフェ」で、認知症介護者家族会(以下、家族会)会長から「薬に対して不安や疑問を持つ介護者が多くいる」と家族会への参加を要望された。家族会とは、認知症介護者が悩みや心の内を話し合い、情報交換する場である。2015年の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」策定に伴い、認知症の人と介護者を地域社会全体で支援する目的で各自治体が運営推進を図っている。家族会では、多くの介護者から、認知症の家族の服用薬について(効果に対する疑問、副作用への不安)、飲み忘れや残薬発生時の対処法、更には「認知症の薬は効果がなくても飲み続ける必要があるのか」など、様々な相談や質問があがった。これらの背景には、認知症の人・介護者と医療者との相互理解不足の存在が推測された。介護者は認知症に戸惑うも、われわれ医療者への相談や質問を躊躇する状況があり得ると認識した。支援は、COVID-19による集会場閉鎖まで3年半にわたり、以降は、この家族会で連携した地域包括支援センターと共に「多職種による家族会」を開催、医療・介護・福祉の連携により多面的な認知症地域支援を実施している。本講演では、家族会に係る事例として、受診拒否を示し、エチゾラム過量服用により依存状態に陥ったアルツハイマー型認知症の人のBPSDと夜間せん妄に悩む介護者に対し、行った支援について紹介する。
薬局業務では、認知症専門知識に基づく処方提案および情報提供を積極的に行ってきた。高齢化に伴い、認知症対応が迫られる地域のかかりつけ医からは、治療に関する相談を受けることも多い。本講演では、レビー小体型認知症が疑われる人を治療につなぎ、その後処方提案により病態改善を図り、更なる医師との連携により適切な介護サービスに結びつけた事例も紹介する。
認知症研修認定薬剤師が、専門性発揮により認知症の人・介護者との信頼関係と医師との綿密な連携を構築し、その実現のうえで両者をつなぐ橋渡し役を薬剤師が担えば、両者間の相互理解は深まると考えられる。認知症の人が、適切な治療やケアを得るための、極めて重要な役割であることをお伝えしたい。