[SY7-3] 認知症研修認定薬剤師による薬局における認知症の早期発見と処方適正化に対する薬学的介入
地域の薬剤師が服薬指導により、認知症の疑いがある人に早く気づき、適切な支援を行うことは、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりに繋がる。本講演では、認知症研修認定薬剤師として、薬局が認知症の早期発見と専門的立場から対応ができる場所となることを目指す中で、経験した症例を2例紹介する。
一つ目の症例は、薬局での服薬指導時に、認知症の早期発見と受診勧奨に至った例である。
慢性関節リウマチの治療中の80代の女性は、いつも使い慣れているはずの自己注射薬の残薬が発生するようになった。
本人の話では、打ち忘れることもある、何をするにも面倒になった、病院内で迷子になることもある、とのことだった。そこで、認知症の簡易チェック法であるTOP-Q(Tokyo Omori Primary Questionnaire for Dementia)を実施したところ、認知症の症状である可能性が考えられた。この結果を元に、自己注射による治療の見直しと認知症の傾向がみられることを医師に相談したところ、内服薬のみでの治療に変更となり、脳神経内科へ院内紹介となった。その後、軽度アルツハイマー型認知症と診断され、治療開始となった。
二つ目の症例は、認知症と診断された人の処方の適正化を試みることで、服薬状況と症状の改善に繋がった例である。
80代の男性は、認知症と診断された頃から、来局のたびに、残薬があるため日数調整を希望するようになった。本人、家族共にアドヒアランス不良は認知症進行のせいだから飲めていなくても仕方がないとあきらめている状態だった。
薬を管理している家族と本人の話を元に、医師へ処方提案を行い、服薬状況を考慮した処方の適正化を試みたところ、アドヒアランスが改善し、本人、家族の服薬への負担が軽減した。その後、認知症の症状が落ち着いたこと、日中の傾眠、ふらつきが徐々に表れるようになったことから、腎機能を考慮し、継続していた認知症治療薬の減量を医師に提案した。その結果、半分量に減量となったが、現在も症状は安定している。
また、それまで敬遠していたデイサービスに通えるようになり、処方の適正化が、本人と家族の意欲の回復につながり、認知症症状の改善に寄与している可能性が考えられた。
どちらの症例も、薬局で薬剤師が、本人や家族の話に耳を傾け、薬学的介入を行うことで、認知症に対する適切な治療、支援に結び付けることができた症例だと考えている。
一つ目の症例は、薬局での服薬指導時に、認知症の早期発見と受診勧奨に至った例である。
慢性関節リウマチの治療中の80代の女性は、いつも使い慣れているはずの自己注射薬の残薬が発生するようになった。
本人の話では、打ち忘れることもある、何をするにも面倒になった、病院内で迷子になることもある、とのことだった。そこで、認知症の簡易チェック法であるTOP-Q(Tokyo Omori Primary Questionnaire for Dementia)を実施したところ、認知症の症状である可能性が考えられた。この結果を元に、自己注射による治療の見直しと認知症の傾向がみられることを医師に相談したところ、内服薬のみでの治療に変更となり、脳神経内科へ院内紹介となった。その後、軽度アルツハイマー型認知症と診断され、治療開始となった。
二つ目の症例は、認知症と診断された人の処方の適正化を試みることで、服薬状況と症状の改善に繋がった例である。
80代の男性は、認知症と診断された頃から、来局のたびに、残薬があるため日数調整を希望するようになった。本人、家族共にアドヒアランス不良は認知症進行のせいだから飲めていなくても仕方がないとあきらめている状態だった。
薬を管理している家族と本人の話を元に、医師へ処方提案を行い、服薬状況を考慮した処方の適正化を試みたところ、アドヒアランスが改善し、本人、家族の服薬への負担が軽減した。その後、認知症の症状が落ち着いたこと、日中の傾眠、ふらつきが徐々に表れるようになったことから、腎機能を考慮し、継続していた認知症治療薬の減量を医師に提案した。その結果、半分量に減量となったが、現在も症状は安定している。
また、それまで敬遠していたデイサービスに通えるようになり、処方の適正化が、本人と家族の意欲の回復につながり、認知症症状の改善に寄与している可能性が考えられた。
どちらの症例も、薬局で薬剤師が、本人や家族の話に耳を傾け、薬学的介入を行うことで、認知症に対する適切な治療、支援に結び付けることができた症例だと考えている。