第17回日本薬局学会学術総会

Presentation information

優秀演題候補セッション

優秀演題候補セッション2

Mon. Oct 9, 2023 9:30 AM - 10:20 AM 第4会場 (2号館2階 会議室224)

座長:灘井 雅行(名城大学薬学部 薬剤学研究室 教授),副座長:長谷川佳孝((株)アインホールディングス 医療連携学術部 次長)

[AW-08] 患者から見た保険薬局管理栄養士の栄養相談に対する意識調査

一色 恵1, 大野 伴和2, 三木 沙也佳1, 小林 明依1, 清水 佳奈1 (1.(株)まつもと薬局栄養部, 2.(株)まつもと薬局本店)

【目的】
まつもと薬局では管理栄養士が栄養士業務に専従しており、2021年には認定栄養ケア・ステーションとして認定され、その業務は多岐に渡っている。本研究により専従の管理栄養士の栄養相談への患者の受け止め方を調査するとともに、今後更に介入していくための改善点を模索することを目的とした。【方法】
過去に(株)まつもと薬局4店舗にて1回以上管理栄養士からの栄養相談を受けたことがある患者を対象に無記名方式でアンケート調査を実施した。回答は単一回答、5段階リッカート尺度による回答、自由回答とした。患者背景について満足度の平均値と標準偏差を算出し統計学的評価を行った。また顧客満足度(CS)分析法により偏差値CS グラフと改善度を用いて評価した。記述式回答は、テキストマイニングを行った。【結果】
54人から回答を得た。栄養相談の多い疾患は腎疾患で48%と約半数を占めていた。アンケートの総合評価(満足度)に対して、91%の回答者が4以上の高い評価をしており、平均±標準偏差値は4.61±0.66であった。患者背景別の比較では、「栄養相談回数」で5回以下(4.50±0.68)と6回以上(4.86±0.48)で有意差が認められた(p=0.023)。CS分析での改善度の値が大きい順に3つ項目を上げると「検査値改善への効果」>「症状の改善への効果」>「あなたの会話(発言)」の順となっていた。また、改善検討項目としては「検査値改善への効果」「症状の改善への効果」「気持ちの変化」が上げられた。
【考察】
患者背景と満足度の関連性として、栄養相談回数で有意差がみられたことから、単発ではなく継続した栄養相談が患者満足度を高めることが示唆された。CS分析での改善度の高い項目を見ると、栄養相談による症状あるいは検査値改善への効果も求められていると考えられ、栄養相談実施後も適切なフォローアップを行っていく必要性を感じた。