[CSY2-2] 生活習慣病と高TG血症

高血圧・2型糖尿病・脂質異常症などの疾患は食事・運動などの生活習慣の状況が発症・増悪に大きく関与していることから「生活習慣病」とされている.生活習慣病は複数が合併しやすく,また相互に影響して増悪させる場合も多くみられる.なかでも高TG血症は他の生活習慣病との合併の頻度が高い.本講演ではとくに2型糖尿病との関係を取り上げることとする.
血清TG値はインスリンによって大きな影響を受けている.インスリン抵抗性状態における脂肪細胞ではホルモン感受性リパーゼ活性亢進のためTGは分解優位の状態にある.グリセロールキナーゼ活性が低い脂肪細胞ではTGが分解されて生じるグリセロール・遊離脂肪酸を再エステル化できないため,ほぼすべてが脂肪細胞から放出される.その後は肝臓に流入し,TGに再合成される.インスリン抵抗性状態の肝臓においてはアポリポ蛋白Bの degradation低下およびmicrosomal triglyceride transfer proteinの活性亢進によって,より多くのTGが,超低比重リポ蛋白(VLDL)に組み込まれて,血中に放出されることになる.インスリン作用不足においてリポ蛋白リパーゼ産生が低下するため血中のレムナントリポ蛋白が増加し,高比重リポ蛋白(HDL)が低下する.またTG含量の多いVLDLはsmall dense LDL(sdLDL)に変換されることがしられている.sdLDLはLDL受容体の親和性が低いことから長く血中にとどまるうえ,抗酸化物質含有量が少ないために酸化変性LDLとなりやすい.
以上のことは,糖尿病状態においては高TG血症を基盤として動脈硬化惹起性リポ蛋白が増加し,動脈硬化抑制リポ蛋白が低下していることを示している.
治療としては各種酵素活性を正常化するためにインスリン抵抗性改善が重要となる.適切なエネルギー量および成分バランスのとれた食事(とくに脂肪高含有食品や果物などに留意する)をとり,有酸素運動・レジスタンス運動の両方を適切な強度・回数でおこなうことが極めて有効である.そのうえで十分な効果が得られない場合には横紋筋融解症・肝腎機能低下に留意しながらフィブラート系薬剤(とくに副作用が少ないとされるSPPARMα)などの薬物療法をおこなっていくことが必要となる.
今後も生活習慣病はますます増加していき, LDLコレステロール以外の動脈硬化を促進しやすい脂質にも着目したきめ細やかな「質のよい」脂質管理が求められるようになっていくと思われる.
血清TG値はインスリンによって大きな影響を受けている.インスリン抵抗性状態における脂肪細胞ではホルモン感受性リパーゼ活性亢進のためTGは分解優位の状態にある.グリセロールキナーゼ活性が低い脂肪細胞ではTGが分解されて生じるグリセロール・遊離脂肪酸を再エステル化できないため,ほぼすべてが脂肪細胞から放出される.その後は肝臓に流入し,TGに再合成される.インスリン抵抗性状態の肝臓においてはアポリポ蛋白Bの degradation低下およびmicrosomal triglyceride transfer proteinの活性亢進によって,より多くのTGが,超低比重リポ蛋白(VLDL)に組み込まれて,血中に放出されることになる.インスリン作用不足においてリポ蛋白リパーゼ産生が低下するため血中のレムナントリポ蛋白が増加し,高比重リポ蛋白(HDL)が低下する.またTG含量の多いVLDLはsmall dense LDL(sdLDL)に変換されることがしられている.sdLDLはLDL受容体の親和性が低いことから長く血中にとどまるうえ,抗酸化物質含有量が少ないために酸化変性LDLとなりやすい.
以上のことは,糖尿病状態においては高TG血症を基盤として動脈硬化惹起性リポ蛋白が増加し,動脈硬化抑制リポ蛋白が低下していることを示している.
治療としては各種酵素活性を正常化するためにインスリン抵抗性改善が重要となる.適切なエネルギー量および成分バランスのとれた食事(とくに脂肪高含有食品や果物などに留意する)をとり,有酸素運動・レジスタンス運動の両方を適切な強度・回数でおこなうことが極めて有効である.そのうえで十分な効果が得られない場合には横紋筋融解症・肝腎機能低下に留意しながらフィブラート系薬剤(とくに副作用が少ないとされるSPPARMα)などの薬物療法をおこなっていくことが必要となる.
今後も生活習慣病はますます増加していき, LDLコレステロール以外の動脈硬化を促進しやすい脂質にも着目したきめ細やかな「質のよい」脂質管理が求められるようになっていくと思われる.