第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

デザートセミナー

デザートセミナー1

2023年10月8日(日) 14:20 〜 15:20 第3会場 (2号館1階 展示室211+212)

座長:久保 聡(株式会社スギ薬局 医療営業本部 副本部長),佐藤 太一(医療法人豊隆会ちくさ病院 副院長)

共催:マルホ㈱

[DS1-2] 薬剤師に関わって欲しい在宅医療でよく診る皮膚疾患~帯状疱疹・褥瘡・スキンーテアを中心に~

鈴木 教之 (医療法人すずりん皮膚科クリニック 院長)

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 高齢者に多くみられる皮膚疾患の一つに帯状疱疹が挙げられる。帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により引き起こされ、痛みを伴う皮疹が出現する。治療は抗ウイルス薬の投与を行う。アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルは腎排泄型の薬剤であり、腎機能による用量調節が必要となる。アメナビルは肝代謝型であり、腎機能による用量調節は要しない。
 褥瘡は在宅医療における代表的な皮膚疾患の一つであり、患部の持続的圧迫やずれ力などにより生じる。体圧分散寝具の使用や体位変換などを行い圧迫やずれを解除する。栄養状態や基礎疾患の管理、排泄ケア・スキンケア・リハビリなど、局所のみならず全身的な褥瘡ケアを行い褥瘡の発生を予防することが重要である。できてしまった褥瘡の処置に対しては、基剤の性質も考慮しながら外用剤を選択する。
 スキンーテアは、主に高齢者に生じる、皮膚の摩擦やずれによって生じる急性の皮膚損傷であり、しばしば皮膚の脆弱性を伴う。持続的圧迫やずれで生じる褥瘡は除外する。健常者では傷にならない程度の軽い外力が加わるだけで容易に傷ができ得ることに留意し、皮膚を愛護的に扱う習慣を身につける。皮膚の乾燥に対して保湿外用薬を使用する。外用の際にはFinger Tip Unit(FTU)を外用量の目安にする。