[DS4] ポストコロナ時代に必要な感染症予防:薬局薬剤師が関わる感染制御とワクチン(VPD)の理解と普及
2019年12月に中国の武漢市で報告された原因不明の肺炎:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中で大流行した。当初は診断方法や治療、感染経路も不明なことが多く、検査体制も未整備なまま対応を迫られた。病院のみならず薬局でも感染症対策に苦慮し、行動制限や業務内容の変更を余儀なくされた。COVID-19は発症2日前から感染力があり、飛沫感染に加えてエアロゾル感染も認められることから、明らかにインフルエンザと異なる。改めて感染対策の重要性が認識されることとなった。一方、mRNAワクチンが開発され、COVID-19の流行抑制に大きく貢献した。新興感染症だけではなく、今もなお多くの感染症が存在する状況下、感染症予防のワクチン戦略が必要不可欠である。ワクチンで感染症を防ぐことができるにもかかわらず、ワクチンを接種しなかったために重い後遺症が残ったケースも少なくない。
VPDは、「Vaccine Preventable Disease」の略語で、ワクチンで防ぐことができる病気や感染症の総称である。VPDには、日常遭遇する麻疹、風疹、水痘、ムンプス、子宮頸がん、HPV感染症、帯状疱疹などがある。これらの感染症に罹患した場合の合併症は、麻疹では30%にも達し、その約半数が肺炎である。また、1,000人に1人程度が脳炎を起こし、その20~40%に中枢神経系の後遺症(精神発達遅滞、麻痺など)を残し、致死率は約15%とされている。風疹では、血小板減少性紫斑病が約 3,000 例に 1 例、脳炎は約 6,000例に 1 例みられ、重い後遺症や死にいたるケースもある。また、妊婦(とくに妊娠初期)が罹患した場合、出生児に多様な先天性異常を伴うことがある。一方、帯状疱疹は、加齢による免疫低下が主原因となって発症する感染症である。症状は、ピリピリとした痛みに始まり、赤い発疹が増え、神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、長期に痛みが続くことがあり、QOLを大きく低下させる。発症部位によっては顔の麻痺や難聴、めまい、四肢の麻痺、髄膜炎や脳炎を起こすことがある。
本セミナーでは、ポストコロナ時代に必要な感染症予防として、薬局薬剤師が関わる感染制御とワクチン(VPD)の理解と普及および高齢者で発症リスクの高まる帯状疱疹の疾患特性、予防方法、患者に伝達するコミュニケーションツールを解説する。
VPDは、「Vaccine Preventable Disease」の略語で、ワクチンで防ぐことができる病気や感染症の総称である。VPDには、日常遭遇する麻疹、風疹、水痘、ムンプス、子宮頸がん、HPV感染症、帯状疱疹などがある。これらの感染症に罹患した場合の合併症は、麻疹では30%にも達し、その約半数が肺炎である。また、1,000人に1人程度が脳炎を起こし、その20~40%に中枢神経系の後遺症(精神発達遅滞、麻痺など)を残し、致死率は約15%とされている。風疹では、血小板減少性紫斑病が約 3,000 例に 1 例、脳炎は約 6,000例に 1 例みられ、重い後遺症や死にいたるケースもある。また、妊婦(とくに妊娠初期)が罹患した場合、出生児に多様な先天性異常を伴うことがある。一方、帯状疱疹は、加齢による免疫低下が主原因となって発症する感染症である。症状は、ピリピリとした痛みに始まり、赤い発疹が増え、神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、長期に痛みが続くことがあり、QOLを大きく低下させる。発症部位によっては顔の麻痺や難聴、めまい、四肢の麻痺、髄膜炎や脳炎を起こすことがある。
本セミナーでは、ポストコロナ時代に必要な感染症予防として、薬局薬剤師が関わる感染制御とワクチン(VPD)の理解と普及および高齢者で発症リスクの高まる帯状疱疹の疾患特性、予防方法、患者に伝達するコミュニケーションツールを解説する。