[教育講演1] 効果的な医療コミュニケーション―薬剤師へのアドバイス―
医療が「パターナリズム」の時代から「情報提供と対話」の時代に変化して、医師・薬剤には医療の専門知識に加えて、高いコミュニケーション能力が必要となった。薬剤師においても、厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン(2015年10月)」において「対物業務から対人業務へ」の転換が基本的な考え方として示された。しかし、これまでは十分なコミュニケーション教育が行われてきたとは言い難く、患者とのコミュニケーションで苦労している薬剤師が多いようである。さらにコミュニケーションの不具合は、医療現場で起こるトラブルやクレームの原因の多くをしめている。
患者と医療者の信頼関係を構築し円滑な医療を提供するコミュニケーションに、特に重要なポイントが二つある。
一つめは、患者には自分とは異なる人生の物語(ナラティブ)があることを理解し、それを尊重することである。すべての人はそれぞれ独自のナラティブを持っている。会話においては相手のナラティブに常に関心を持って、尊重する必要がある。患者に対して医療者のナラティブを押し付けてはいけない。
二つめは、「共感」である。共感とは、相手のナラティブを評価・批判せずに寄り添うことであり、「同情」とは異なる。共感性の高い医療者は、患者と信頼関係を構築することができて、トラブルを起こさない。さらには治療効果も高まるとする報告もある。医療者は、共感性とメタ認知(バルコニーの上から自分と状況を客観的に俯瞰する)できる能力を合わせ持つのがよい。
医師とはやや立場の異なる薬剤師において、どのようなコミュニケーションが効果的かについて具体例をあげて解説する。
患者と医療者の信頼関係を構築し円滑な医療を提供するコミュニケーションに、特に重要なポイントが二つある。
一つめは、患者には自分とは異なる人生の物語(ナラティブ)があることを理解し、それを尊重することである。すべての人はそれぞれ独自のナラティブを持っている。会話においては相手のナラティブに常に関心を持って、尊重する必要がある。患者に対して医療者のナラティブを押し付けてはいけない。
二つめは、「共感」である。共感とは、相手のナラティブを評価・批判せずに寄り添うことであり、「同情」とは異なる。共感性の高い医療者は、患者と信頼関係を構築することができて、トラブルを起こさない。さらには治療効果も高まるとする報告もある。医療者は、共感性とメタ認知(バルコニーの上から自分と状況を客観的に俯瞰する)できる能力を合わせ持つのがよい。
医師とはやや立場の異なる薬剤師において、どのようなコミュニケーションが効果的かについて具体例をあげて解説する。