[LS5] 超高齢社会で増加しているパーキンソン病の特徴とその治療の考え方
パーキンソン病の特徴的な症状は運動障害であるが、高齢社会の到来にともない高齢者パーキンソン病が増加し、さらにそれに併発する認知症が増えている。パーキンソン病認知症はレビー小体型認知症と区別し難い症候を示すことが知られ、両者の病理所見は区別できないことから、両者を総称してレビー小体病と呼ばれる様になった。パーキンソン病治療の中心はドパミン補充であり、レボドパは現在も最も強力な治療薬である。しかし運動合併症を生じること、認知機能障害を合併した症例ではしばしば幻覚や妄想などの誘発因子になり得ることが問題である。またパーキンソン病では早期からアセチルコリン系も障害を受けることが明らかとなりコリンエステラーゼ阻害剤による認知機能改善効果も注目され、抗コリン薬はあまり使用されなくなっている。最近ではレビー小体病理の進展を抑制する疾患修飾薬の治験も複数進行している。