第17回日本薬局学会学術総会

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ランチョンセミナー

ランチョンセミナー7

Mon. Oct 9, 2023 12:00 PM - 1:00 PM 第2会場 (3号館3階 国際会議室)

座長:松野 英子(たんぽぽ薬局株式会社 代表取締役社長),座長(オーガナイザー):中尾 豊(株式会社カケハシ 代表取締役社長)

共催:㈱カケハシ

[LS7] クラウドシステム活用によるミドルマネージャーを中心とした薬局マネジメント

佐藤 裕美 (協和ケミカル株式会社 人材開発部副部長)

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 2025年までに国が進める地域包括ケアシステムの構築に向けて各地域で様々な取り組みがある中、当社でも一部店舗は地域密着型店舗として、地域の健康リテラシー向上に貢献することを目指して活動をしている。また自らも愛知県愛知郡東郷町の地域ケア推進委員として多職種と共に活動する傍ら、薬局薬剤師として地域に貢献する方法を模索し、活動を続けている状況である。
 また国が求める対人業務を進める為、弊社でも薬剤師の生産性を向上し確保した時間を患者や地域のための活動へつなぐ努力をしているが、どれだけの薬剤師が理解しその環境変化に対応できるのか疑問もある。個人の努力では難しい問題もあり現場統括者のマネジメント力が必要である。店舗の個別課題解決に向け、ミドルマネージャーが経験・感覚に頼りすぎないよう従業員のパフォーマンスを見える化し、データを共通言語としたコミュニケーションを活性化することで店舗力向上に貢献できると考える。
 人材開発部・プロジェクトメンバーとしてミドルマネージャーに向けた定期的な研修を行い、データ活用方法・メリット等の理解を深めたことで、効率的な人員調整の検討、重点店舗へのデータを活用した介入が進んだ。また患者アドヒアランス向上に向けた健康アドバイス活用の取り組みや、継続的な薬局利用(脱落者防止)に向けたハガキ送付施策等の取り組み等、本部~ミドルマネージャー~店舗が簡単に共有できるクラウドシステムを有効に活用した施策も行っているので紹介する。
 上記を踏まえ、総合討論では「対人業務における薬剤師のコアバリュー」をキーワードに、たんぽぽ薬局(株)の松野氏、(株)カケハシの中尾氏と共に議論する。対人業務の強化に取り組む薬局は増えているが、薬剤師の役割の核をどこに据えるのかは、各薬局が未だ議論を重ねている。経営的な持続性の担保と、患者への価値提供の両輪での実現に向けて、皆様の参考になれば幸いである。