第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-015-C] 薬局での負担金額軽減を求める患者における処方提案と病院薬剤師との連携

久昌 喜和子, 木場谷 範子, 磯部 紀子 ((株)田無薬品 田無本町調剤薬局)

【目的】
慢性疾患患者は治療期間が長くコロナ禍や物価高騰などによる経済的負担は少なくない。今回、薬局で支払う負担金額軽減を求める患者において病院薬剤師との連携から処方提案した症例について報告する。
【症例】
50代女性、喘息、糖尿病、高血圧、逆流性食道炎、原発性胆汁性胆管炎。3割負担。2021年3月よりアムロジピン,トラゼンタ,6月に喘息と診断されレルベア200エリプタ,モンテルカスト処方開始。月1回来局し5月2880円、8月8700円の支払いが滞るケースが発生した。翌年4月に再度、支払い困難や処方箋の期限切れから患者判断で投薬治療を中断し喘息発作があった。5月から投薬を再開したが6月に薬局負担金額の軽減ができないか薬局薬剤師に相談があった。レルベア200エリプタの用法は1日1回1回1吸入と簡潔であるが後発薬品がなく薬価が高額のため後発薬品のあるシムビコートタービュヘイラーへ処方変更の提案を含め病院薬剤師に患者情報を提供し、カルテへの記載を依頼した。翌月の処方では提案通りの変更があり、後発薬品のブデホル吸入粉末剤調剤し薬局負担金額が1ヶ月分で約2000円の減額になった。負担金額軽減はその後の継続投薬に繋がり、経済的負担の軽減だけでなくアドヒアランスが向上し、発作も起きず経過は良好である。
【考察】
本症例では病院薬剤師と患者情報を共有しつつ薬局からの処方提案により患者の薬局負担金の減額や体調安定に繋がった。これは病院と薬局間の連携の重要性を確認出来た1例である。また患者からの聞き取りや相談に丁寧に対応することで、問題点の抽出や治療継続に対する患者のアドヒアランスの向上へと繋がった。その後、患者との信頼関係が構築でき、かかりつけ薬剤師となり吸入指導や生活指導を行い喘息発作は起きていない。処方薬が11剤と多いので今後は体調、生活のサポートを継続しつつ減薬を試みたい。