[P-018-C] 指先生化学検査を活用した薬剤師の取り組み
【目的】
薬剤師は調剤業務を中心とした対物業務から薬剤師の専門性を生かした対人業務へのタスクシフトが求められている。その一方で、薬剤師が市民の健康状態を定量的に評価するデータを得ることが困難である。そこで、指先生化学検査が、薬剤師による市民の健康状態の定量的評価を行う上で有用かどうかを検討する。
【方法】
対象者は浜松市内で行われた糖尿病教室の参加者54人および、美と健康の体験フェスタの参加者272人である。測定方法については文書同意の上、参加者本人の指先自己穿刺により血液を採取し、中性脂肪(TG)、HDLコレステロール(HDL-Cho)、LDLコレステロール(LDL-Cho)、HbA1cのうち希望する項目についてコバスⓇb101を用いて行った。各測定項目については文書で参加者本人に報告し、また、参加者にアンケートを実施した。
【結果】
各測定項目について測定人数及び基準範囲外を示した人数は、TG (n = 293)について171人、HDL-Cho (n = 285)について14人、LDL-Cho (n = 269)について49人、HbA1c (n = 317)について32人であった。測定項目のいずれかについて健康診断での指摘を受けていない人数は、161人であった。指摘を受けていない参加者で異常値を示した人数は94人であった。また、薬局で血液検査を受けたことがある人数は25人、今後血液検査を受けたいと感じた人数は215人、運動、栄養に気を付けようと思った人数は220人であった。
【考察】
測定値が基準範囲外を示した者の割合が、国の行った国民健康栄養調査における基準範囲外の者の割合と同程度を示したことから、指先生化学検査における測定結果は国民の生活習慣病に関する検査値の傾向を反映していると考えられる。また、参加者の過半数が今回の測定項目について健康診断で指摘を受けていないという結果を考慮すると、指先生化学検査が生活習慣病患者のスクリーニングに有用である可能性を示唆している。
薬剤師は調剤業務を中心とした対物業務から薬剤師の専門性を生かした対人業務へのタスクシフトが求められている。その一方で、薬剤師が市民の健康状態を定量的に評価するデータを得ることが困難である。そこで、指先生化学検査が、薬剤師による市民の健康状態の定量的評価を行う上で有用かどうかを検討する。
【方法】
対象者は浜松市内で行われた糖尿病教室の参加者54人および、美と健康の体験フェスタの参加者272人である。測定方法については文書同意の上、参加者本人の指先自己穿刺により血液を採取し、中性脂肪(TG)、HDLコレステロール(HDL-Cho)、LDLコレステロール(LDL-Cho)、HbA1cのうち希望する項目についてコバスⓇb101を用いて行った。各測定項目については文書で参加者本人に報告し、また、参加者にアンケートを実施した。
【結果】
各測定項目について測定人数及び基準範囲外を示した人数は、TG (n = 293)について171人、HDL-Cho (n = 285)について14人、LDL-Cho (n = 269)について49人、HbA1c (n = 317)について32人であった。測定項目のいずれかについて健康診断での指摘を受けていない人数は、161人であった。指摘を受けていない参加者で異常値を示した人数は94人であった。また、薬局で血液検査を受けたことがある人数は25人、今後血液検査を受けたいと感じた人数は215人、運動、栄養に気を付けようと思った人数は220人であった。
【考察】
測定値が基準範囲外を示した者の割合が、国の行った国民健康栄養調査における基準範囲外の者の割合と同程度を示したことから、指先生化学検査における測定結果は国民の生活習慣病に関する検査値の傾向を反映していると考えられる。また、参加者の過半数が今回の測定項目について健康診断で指摘を受けていないという結果を考慮すると、指先生化学検査が生活習慣病患者のスクリーニングに有用である可能性を示唆している。