第17回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-054-C] 新型コロナウイルス感染症患者対応における門前医療機関との連携

増田 英次1, 土金 久美子1, 神林 彩佳1, 中道 友紀子1, 石塚 美雪1, 竹内 順子1, 河内 治2 (1.(株)アイセイ薬局 アイセイ薬局白鍬店, 2.首都圏埼玉支店)

【目的】
新型コロナウイルス治療薬の内服薬として用いられるニルマトレルビル/リトナビルおよびエンシトレルビルは下痢、嘔吐などの消化器症状の副作用が報告されている。また併用禁忌および併用注意の薬剤が多くあるため併用薬の確認も重要となる。どちらの抗ウイルス薬もアトルバスタチンおよびロスバスタチンが併用注意となっているが、当薬局の利用患者はスタチン系薬剤を服用している患者が非常に多い。そこで、評価すべき症状は多数あるが今回は消化器症状にしぼり、処方医と協議し副作用発見時の対応および抗ウイルス薬服用中の併用薬の管理について取り決めを行ったことについて報告する。
【方法】
ニルマトレルビル/リトナビルまたはエンシトレルビルが処方された患者の服薬指導について処方医と2点取り決めを行った。1つ目はスタチン系薬剤併用患者には抗ウイルス薬服用期間中はスタチン系薬剤を中止することとした。2つ目は服薬指導を行った翌営業日にフォローアップを行い、発熱、頭痛、咽頭症状などの経過確認の他に抗ウイルス薬服用開始後に頻発、継続する下痢症状が認められれば抗ウイルス薬の服用を中止し、自己判断で再開しないこととした。
【結果】
スタチン系薬剤の中止指示を実施した件数は4件だった。またフォローアップ時にいずれの患者もスタチン系薬剤を指示通り中止していることを確認した。フォローアップ時に下痢症状が認められ抗ウイルス薬が中止となった件数はニルマトレルビル/リトナビル服用患者で2件だった。エンシトレルビル服用患者では下痢器症状は認められなかった。
【考察】
抗ウイルス薬の服薬指導において処方医と事前に指導内容、副作用時の対応を決めておくことで、円滑な薬物治療に寄与できたと考えられた。今回は新型コロナ治療薬に限定した取り組みであったが、今後は他の治療薬に対しても処方医と連携を図り、患者に適切な薬物治療を提供できるよう努めたい。